米プロゴルファー、タイガー・ウッズ選手の騒動を3DCGで描いた動画がユーチューブにアップされ話題になっている。台湾のゴシップ紙が作成した動画で、ウッズ選手が妻のエリンさんと喧嘩する様子をリアルに「再現」。再生回数は200万回を超え、ニューヨークタイムズ紙も「ジャーナリズムの新しい世界」と評価するほどだ。
動画は香港と台湾でゴシップ紙を発行している「蘋果(ピングオ)日報」が作成したもの。YouTube上に台湾のユーザーによって2009年11月28日に公開された。
エリンさんが「ターミネーターみたいだ」
11月27日未明に、ウッズ選手が自宅近くで起こした交通事故の様子を推測し、3DCGで「再現」。まず、家の中でウッズ選手の浮気が原因で口論となり、ウッズ選手がエリンさんにビンタされる。ウッズ選手は家から飛び出して車で逃げようとしたが、ゴルフクラブを持ったエリンさんに追いかけられ、車が消火栓と接触。バランスを崩した車はそのまま木に衝突してしまう。CGのクオリティは低いものの、まるで見てきたかのような「再現度」で、臨場感たっぷりだ。
現在までに220万回以上再生され、約800件のコメントが付いた。
「この動画は事件のあった翌日の28日にアップされているけど、どうすればこんなに早く作れるの?」
といったものや、エリンさんがロボットのように激しくウッズ選手を攻め立てていることから、
「激しく笑った。中国人によると、エリンはターミネーターみたいなんだな」
などが寄せられている。
アニメーターやプログラマーなど数十人規模の製作スタッフ
ニューヨークタイムズも12月5日、この動画を「the new world of Maybe Journalism(ジャーナリズムの新しい世界の可能性)」と紹介した。
それによると、蘋果日報は、アニメーターやプログラマーなど数十人規模の製作スタッフを擁し、CG動画ニュースの配信を11月にスタート。同社の動画担当者は、
「新聞の未来には数多くの議論があります。紙に印刷された新聞は縮小を続けています。若い人は新聞を読むのが好きではないのです」
と話し、2年ほど前からCG動画ニュースの計画を立てていたという。今回のウッズ選手の動画が予想以上の成功を収めたので、今後も国際的なニュースを取り上げていく予定だ。また、ウッズ選手の3DCGが、実物と余り似ていなかったことを認めるが、「肌の色とヘアースタイルは正確に描いていますよ」としている。