408件の励ましコメント、裏切った
詩音容疑者は、自らのブログで2009年10月29日、ある衝撃的な告白をしていた。
それは、のどにポリープができたということだ。病名は明らかにしていないが、喉頭がんの可能性はあり、歌手生命に関わる一大事だ。公式サイトでは、しばらくは治療に専念し、ライブをキャンセルして活動休止にすることを明らかにした。早期に発見できたので、大事には至らないとの見通しも示している。
この日、詩音容疑者は、「素直な気持ち」をブログにつづっている。ウソでも明るくファンに大丈夫と言うべきとしながらも、強がらずに弱い自分をさらけ出したいとも告白。そして、こう心の叫びをぶつけた。
「もしも神様が居るのなら、お願いだから詩音から歌を取り上げないで欲しい」
「もぅ、苦しくて、辛くて、泣き疲れちゃったよ。詩音のライブを楽しみにしていてくれたみんな、本当に本当にごめんね。みんなに会えるのを励みに毎日頑張って来たし、すごく楽しみにしていたから悔しくて仕方がない」
そして、11月9日になってブログをようやく自ら更新し、「詩音だよ帰って来たよ」と報告した。それまでにたまった408件のコメントに励まされ、支えられたというのだ。それ以降のブログでは、挫折から立ち直り、1日を大切に生きることにしたとの決意がつづられている。
逮捕前の12月7日には、曲を作っているときや歌っているときが一番の幸せとブログに書いている。翌日には、「ビルボード・ジャパン・ミュージック・アワード2009」の最優秀インディーズアーティスト賞にノミネートしたことを明かしていた。
ところが、結果として、ファンを裏切ることになってしまった。病気で落ち込み、クスリにすがろうとしたのか。それとも、何か別の動機なのか。
所属事務所のハイライズに取材を申し込んだが、11日中には応答はなかった。