岡田克也外相がオーストラリアの報道番組で、「日本の伝統的食文化を尊重すべきだ」と主張、捕鯨に反対するオーストラリア政府に対し、真っ向から批判したとネットで話題になっている。掲示板「2ちゃんねる」では書き込みが殺到する「祭り」に発展した。いつもは民主党への批判ばかりなのだが、今回は「オレたちの岡田!」「素晴らしすぎる 次期総理なら応援するぞ」といった外相を応援する書き込みが多い。
オーストラリアのABC放送が、岡田外相との会見を2009年12月10日に報道番組内で放送した。共同通信は同日、
「ABC放送の報道番組で『鯨肉を食べるのは日本の伝統的な食文化で、オーストラリアはそれを尊重すべきだ』と述べ、南極海での日本の調査捕鯨に反対するオーストラリア政府を批判した」
と配信。
この記事のせいでネットでは、これまでの自民党政府の外相とは違い、毅然とした態度で外交をこなす人物なのではないか、と評判になった。
「鳩山を辞任させて、岡田内閣にしてくれ」
民主党批判、岡田外相批判ばかりが目立っていた「2ちゃんねる」では、驚きと戸惑いが広がった。
「ちょっとかっこいいと思ってしまったww」「やるじゃん だがてめぇの事は嫌いだからな」「これを中国・韓国にも出来たら 大したものだがな」
そして、
「外相の立場でこの発言 素晴らしすぎる 次期総理なら応援するぞ」
「岡田総理なら良かったのに」
「鳩山を辞任させて、岡田内閣にしてくれ」
などといった首相待望論まで出てきた。
捕鯨反対を訴える国は少なくないが、特にオーストラリアは激しい。07年11月には労働党が「日本の調査捕鯨監視のため軍隊を出動させたい」との考えを示したり、08年2月には「クジラの母子が捕獲される様子」を写したという写真が公開され、「無差別殺戮なのは明らか」とプロパガンダ的な主張を展開した。テレビでも、調査捕鯨が必要というなら、「日本人を知るために日本人に銛を打っても許されはず」といった論理の番組も作られた。シドニーにいた日本人女性に向かい、男性レポーターがおもちゃの銛を発射する、といったショッキングな映像も流れた。
シー・シェパードなどの反捕鯨団体の違法行為に対しても、日本政府の対応に毅然としたものは見当たらず、政権が代わり岡田外相になっても、変化はないのではないか、という諦めも一部にはあった。