欧米では日常的という「アンダーヘア脱毛」について、日本でも女性客を大幅に増やすエステなどが出てきている。マリエさんらテレビやブログで脱毛を明かすタレントも相次いでおり、その影響もあるようだ。
「私もやってます。ツルツルです」
フジテレビ系で2009年12月7日深夜放送の「ホンマでっか!?TV」。司会のさんまさんが、レーザー脱毛について、「すごい痛いらしいですよ」と言ったときだ。ゲストのマリエさんは、いきなりこう切り出したのだ。
「これ私は、全身全部やってるんですけど…」
つまり、アンダーヘアまで完全脱毛しているということだ。日本では、まだ抵抗がある女性が多いと言われるが、あっけらかんと言ってのけた。
さらに、驚くことには、ほかにも「脱毛」を明かすゲストがいた。「小悪魔ageha」専属モデルの武藤静香さん(22)だ。「私もやってます」といい、「ツルツルです」と明かす。すると、マリエさんは「ほら、やっぱり!」とさも当然のような顔をしてみせた。
アンダーヘア脱毛が日本でも認知され始めたのは、08年夏にいくつかの雑誌が特集を組んでからのようだ。衛生的とPRされ、その英語から脱毛女性は「ハイジニーナ」と呼ばれた。
そして、叶姉妹の姉、恭子さん(47)が09年3月、フルヌード写真集でアンダーヘアの完全脱毛を披露して、さらに話題を集めた。この脱毛は、Tバック発祥国にちなんでブラジリアンスタイルとも呼ばれており、恭子さんは、自らのブログの同4日付日記で、このスタイルによる永久脱毛をしたと告白している。
モデル業界のほか、芸能界でも、このスタイルは、日常化しつつあるようだ。一方、一般の女性の間では、どのくらい試されているのか。
1年で女性客が10倍増、うち完全脱毛が半分近く
エステやクリニックを取材すると、こちらも次々に仰天情報が飛び出してきた。
全国で脱毛サロン「ミュゼプラチナム」82店を展開するエステ大手のジンコーポレーションによると、ここ1年でアンダーヘア脱毛をする女性客が10倍にも増えた。そのうちツルツルの完全脱毛は、半分近くあるというのだ。
雑誌特集にあやかって設置した「ハイジニーナコース」は、08年12月の利用が30人だったのが、09年11月には300人にもなった。キャンペーンをした8月には、なんと1800人だったという。
「大ヒットしたアメリカ映画『セックス・アンド・サ・シティ』で、ヒロインが脱毛を明かすシーンがあり、それで日本でも広まりました。衛生的なのが一番のメリットですね。雑菌がついたりせず、清潔感があります。下着や水着でヘアがはみ出ない良さがあるのは、もちろんです。レーザーの一種のフラッシュ脱毛で、痛くはありません。セレブ以外にもニーズがあり、今後も伸びると思います」
また、東京と名古屋で脱毛の「ブラジリアンエステ」をしている「さかえクリニック」では、09年は、前年の倍ほどの利用があったという。それも、9割以上が完全脱毛というのだ。
同クリニックのカウンセラーは、「叶恭子さんの写真集の影響力が大きかったです。永久脱毛ができる医療機関なので、通院4回ほどできれいになります。光と高周波ですので、レーザーほど痛みはありません。アンダーヘアがないと清潔さが保てますし、ヘアがはみ出すことなく小さなショーツがはけると好評ですよ」と話す。
ちなみに、叶恭子さんは、アンダーヘアが薄くレーザーが反応しづらかったといい、針脱毛の「電流ニードル」を利用したそうだ。