2009年のインターネットの世界を席巻したミニブログサービス「ツイッター(Twitter)」。情報通信政策を司る総務省では、原口一博大臣が2009年12月11日の記者会見で「ツイッターは大変魅力的なメディア」と発言、ツイッターの活用を検討し始めた。
アメリカでは大統領官邸が情報発信ツールとして活用し、150万人ものフォロワー(購読者)を集めている。日本でも国会議員初のツイッター討論会が開かれるなど政治家の利用が進んでいるが、まだ「ツイッター閣僚」は登場していない。
ツイッター議員として知られる民主党の藤末健三参院議員は「まず原口大臣あたりが始めてくれるとうれしい」と期待している。そこで12月11日の定例会見で、J-CASTニュースの記者が提案してみた。本来は「質問」すればいいのだが、総務省の記者会見には記者クラブが作った「クラブ以外の者は出席できるが、質問できない」という奇妙なルールがある。前回(12月8日)と同じく、「質問」ではなく「問題提起」をさせてもらった。
今年1年を1字であらわすと「開」
「11月9日の参議院予算委員会では、藤末議員がツイッターを政府で活用したらどうかと提案しました。欧米ではオバマ大統領が活用していることでも有名ですが、総務省も、たとえば原口大臣がツイッターを活用されるのはいかがでしょうか」
意表をつく「問題提起」に対して、原口総務相は「(記者クラブとの)取り決めとの関係があるので、答えという形ではなくて……」と断りながら、ツイッターについての見解を明かした。
現在、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やメールマガジンなどのネットサービスを積極的に活用しているという原口総務相は
「SNSに自分の日程を書き込もうと思ったときがありましたが、警備の問題や相手との信義の問題がある」
とリアルタイム性の強い情報発信への躊躇をみせつつも、
「ツイッターも140字の制限があるものですけれども、たいへん魅力的なメディアであると考えています。ツイッターについても(活用を)検討していきたいと思います」
と発言し、ツイッターを使った情報発信に高い関心を示した。
原口総務相は同じ会見で「今年1年を1字であらわすと?」と質問されたとき、「開」と答えた。政権交代で「新しい道、新しい希望が開けた」という意味だ。ならば、新しいツールを使った情報発信や記者会見オープン化の面でも、もっと積極的に「開いていく」ことが期待される。