秋田県は大臣の発言撤回を求める
さらに、
「もしも、そんなふうでやるんだったら、秋田県全体を、その(制度の)対象から外しますよ」
とまで述べ、同省幹部を秋田県庁に派遣して、意向を直接伝えることも明かした。
政府は都道府県別のコメの生産目標を決めるが、県内自治体ごとの割り当ては、県・市町村・JAでつくる「県米政策推進協議会」が決めることになっている。2010年産の生産割当てが年内にも発表されることを見越して、突然、このように噛みついた形だ。
当然のことながら、この動きに、秋田県側は猛反発している。
翌12月9日朝には、県議会の農林商工委員会が緊急招集され、出席した議員からは
「秋田県の名誉にかかわる」
「大臣は発言の根拠を明らかにし、不安に思っている農家に説明すべき」
といった声が噴出し、県農林水産部の佐藤文隆部長は、報道陣に対して
「それ(大潟村へのペナルティー)は事実とは違う、ということを(説明に来た農水省幹部に対して)強く申し入れをした。そのことについては大臣に説明責任がある」
と、発言撤回を求めたことを明らかにした。
地元紙「秋田魁新報」も、この問題を12月10日の社説で取り上げ、
「特定の県へ『脅し』とも取れる発言をすること自体、許せるものではない」
「農相発言は、ルールを守ってきた県内農家には納得できない内容。その声をしっかり代弁するのも県の責務だ」
と主張。やはり農水相を強く批判している。民主党の「目玉政策」をめぐる地方と中央の綱引きは、しばらく長引くことになりそうだ。