プロ野球「阪神タイガース」の赤星憲広選手(33)がブログで、現役引退を報告した。コメント欄にはファンから約2000件ものコメントが寄せられ、あまりに急な報告に驚くとともに早すぎる引退を惜しんだ。
「今日は皆様にご報告があります。この度引退する事を決めました」
医師の指摘「最悪命の危険もありうる」
赤星選手「みなさんの期待するプレーはできないんではないかと」
赤星選手は2009年12月9日のブログで、「こんなギリギリの報告になる事をお許しください」と書いた。引退を決意させたのは怪我のせいだ。今シーズン終盤、右中間を追ってダイビングキャッチを試みた際、脊髄を痛めてしまったらしい。だが、その後はずっと、来シーズンの復活だけを考えていた。
11月7日の「負けません!」と題した記事でも、久しぶりにユニホームに袖を通し、球場ではキャッチボールとダッシュでならしたことを書いた。予想以上に体が動いたことが嬉しくて、「このまま終りたくない気持ちがある限り、復帰を信じて待っていてくれるファンの皆様がいる限り、僕はケガに絶対負けない。1日でも早く戻れるようにベストを尽くします」と前向きだった。
それが一転した。医師には「今の現状でプロスポーツに復帰するのは無理」と指摘されたのだ。そしてもう一度痛めた場合は、「不随になってしまったり、最悪命の危険もありうる」。もう一度球場に立ちたい気持ちはあったが、今後の人生を考え、自分の気持ちにも迷いがあることに気付いた。
「もし復活できたとしても、プロ野球選手としてみなさんの期待するプレーはできないんではないかと思いこの決断に至りました」
この報告にコメント欄には現在、約2000もの書き込みがある。その中には急な話で信じられない、復活を待っていたという声のほかに、「勇気ある決断だったと思います」「今までありがとう」「9年間お疲れ様でした」「背番号53 僕の中では永久欠番です」と赤星選手をねぎらう書き込みが寄せられている。
赤星選手がプレーした9年間は盗塁王5回、通算381もの塁を盗んだ。歴代9位の記録だ。引退を決断した今の心境についてはこう書いている。「まだ実感もわかないですし、今はこれ以上何と言っていいのかわかりません。しかしこの9年間ファンの人達の支え、応援なくして、ここまではこれなかったと思います。本当に9年間ありがとうございました」