もらってうれしい年賀状とは――。昨今は年賀状の代わりにメールという人もいるが、年賀状に関する意識調査では8割の人が、直筆のコメントが書かれたものという結果が出た。手書きの年賀状には温かみを感じ、気持ちが伝わるというのがその理由だ。
郵便事業会社(日本郵便)が15歳~69歳の男女1164人を対象に実施した「年賀状に関する意識と実態調査」(2009年10月2~4日実施)で、今度のお正月には年賀状を何通出すかと質問したところ、平均で60.1通という結果が出た。とりわけ会社経営者・役員が仕事柄、177.8通を出すと回答して全体の数を押し上げてはいるが、それでも会社員が51.5通、専業主婦も48.8通、学生は16.0通と答えている。
4人に1人が「年賀状は仕事の人間関係に影響すると思う」
約9割の人が「年賀状に直筆コメントを書くことを意識している」
年賀状を、職場や仕事関係において大切なコミュニケーションツールと考えている人は多い。4人に1人は「年賀状は仕事の人間関係に影響すると思う」(27.4%)としているし、「職場/仕事関係への年賀状は出して当たり前だ」(17.4%)、「元旦に届く方がビジネスにおける印象も良い」(16.4%)という声も寄せられている。
ただし、メールが一般的になった昨今でも、仕事関係の相手には年賀状の代わりに年賀メールを出すことを、3人に1人が「好ましくない」(68.6%)と判断していることも分かった。「年賀メール」の印象を聞いたところ、「手軽で簡単」という意見が61.8%あるにもかかわらず、「上辺だけのもの」(14.2%)、「気持ちや想いが伝わらない(伝わりにくい)」(11.6%)といったやや否定的な意見も少なくなかった。年賀メールの利用は知り合いが中心で、使い分けがされているというわけだ。
実に9割近くが直筆コメントを意識
今年の年賀状は何通出しますか?(写真は平成22年用年賀はがき)(C)Disney. Based on the “Winnie the Pooh” works by A.A.Milne and E.H.Shepard.
年賀状を出す相手について、圧倒的に多かった回答は「親しい友人・知人」(89.4%)だ。ほかに、「普段は会わない友人・旧友」(64.3%)、「同級生」(59.8%)。年賀状のやり取りを通じて、「よかったこと」を挙げてもらったところ、次のような回答が寄せられた。
「連絡が途絶えていた友人と連絡をとるようになった」
「思いがけない人からもらった連絡の頻度が増えた」
「思いやりあるメッセージをもらい親密さが増した」
「学生時代の友人と同窓会などを開くきっかけになった」
一通の年賀状が、人と再会するきっかけとなったり、旧友との交友を温めるチャンスになったりするのだ。では、もらってうれしい年賀状とはどんなものなのだろうか――。好印象だったものについて聞いてみたところ、
「日頃の感謝やお礼が直筆で書いてある」
「送る相手ごとのコメントが書いてある」
「本人の近況が直筆で書いてある」
「家族の近況が直筆で書いてある」
「本人の今年の抱負が書かれてある」
という答えが寄せられている。年賀状の「直筆」はとりわけ大事な要素なのだ。「年賀状に直筆コメントを書くことを意識しているか」という質問でも、「意識している(54.1%)」「出す相手により意識している(32.9%)」であわせて87.0%。実に9割近くに及ぶ。そして、79.2%の人は「直筆のコメントが書かれている方がうれしい」と答えており、特に、メール世代であるはずの10~30代の若い女性では9割以上にのぼるのも印象的だった。
年賀状のイメージには「温かみを感じる(58.3%)」、「日本の伝統文化(43.2%)」、「気持ちが伝わるもの(35.6%)」という意見があった。その人の近況がわかったり、再会のきっかけになったりするのは確かに、うれしいものだ。2010年は寅年。どんな年賀状にしますか。
年賀郵便の受付は12月15日に開始する。元日に届けるには12月25日までに投函する必要がある。