花は嗜好品なので不景気の影響を受けやすい
農林水産省の調べによると、切り花の取扱量、金額はともに減っている。08年の切り花類の取扱量は57億353万本で、前年に比べ2%減少した。仏花としての需要がある菊の入荷量は前年並みだったが、バラは6%下回った。また、取扱金額は同比8%減の3112億円で、全体的に価格が下がっている。
鉢もの類も取扱量が前年比4%減の2億7889万鉢と減った。観葉植物の入荷量が前年より10%減り、洋ラン類も2%減ったためだ。単価も下がり、取扱額は908億円と前年に比べ9%減少した。
東京都中央卸売市場の花き係担当者は、
「花は嗜好品なので景気の影響を受けやすい。取扱量も減っていますが、需要が減ったことによる価格の下落のほうが激しいです。個人消費に加えて、葬儀などに用いられる業務用の減少が大きいからでしょう」
と話している。
売れなければ生産者も大変だ。生産者の業界団体、日本花き生産協会の担当者は、
「(生産者から)採算が取れないなら廃業しようという人もいます」
と明かす。
厳しい状況だが、例年、12月はクリスマスに赤バラが売れ、年末年始に向けて消費が伸びるかき入れ時だけに、「期待したい」という声も関係者からあがっている。