北野武、小雪、山崎まさよし… ウイスキー復活の年に「似合う人」

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   2009年はウイスキー復活の年だった。市場は11年ぶりに拡大に転じる見通しに加え、年末のヒット商品番付にもウイスキーを割って飲む「ハイボール」が選ばれた。世代や年齢を問わずに親しまれつつある中、ウイスキー文化の発展を目指す表彰式「ウイスキー・ラバーズ・アワード2009」が初めて行われ、授賞式に参加した北野武さん(62)はウイスキーと映画の意外な共通点を語った。

   ウイスキー人気に火を付けたのは、ウイスキーをソーダ水で割る飲み方「ハイボール」だった。年末恒例の「日経トレンディ」「日経MJ新聞」のヒット商品番付にも「ハイボール」が入り、それを裏付けた。

動画「ハイボールの作り方」100万回再生

「ウイスキー・ラバーズ・アワード2009」で表彰された前列の栗山千明さん、北野武さん、小雪さんと、後列の成宮寛貴さん、山崎まさよしさん
「ウイスキー・ラバーズ・アワード2009」で表彰された前列の栗山千明さん、北野武さん、小雪さんと、後列の成宮寛貴さん、山崎まさよしさん

   「ハイボール」人気は、サントリーの小雪さん出演のCMがうけたこともある。2009年7月10日からネット上で公開されると評判を呼び、動画サイトYouTubeでも現在、100万回以上が再生されたほどだ。

   CMの小雪さんは「おいしいハイボールの作り方」として、まずはグラスに氷を入れ、冷たいウイスキー「1」にソーダ「3」の割合で入れると説明。マドラーは縦に1回入れて、「まぜすぎてはダメ、炭酸がぬけてしまうから」と微笑む。氷とグラスが触れる音と炭酸のはじける音が、ゴスペラーズの歌うクールなBGMともよくあっている。

   ブログの書き込み内容や動向を分析するサイト「kizasi.jp」を見ると、ブロガーの間では4月から徐々に、「ハイボール」の書き込みが増えていた。多いときでは7月頃、600件以上の書き込みがあった。ある人は、ウイスキーを炭酸水で割った後、レモンを加える飲み方が「レモンがウイスキーの鋭さを消して、炭酸が喉を心地よく刺激する」ので、気に入っている。別の女性もバーで飲んだハイボールがきっかけでウイスキーが好きになり、すっかりはまってしまった様子を書いていた。

北野武「映画と(ウイスキーの)ブレンドは似ています」

   そんな中で、2009年12月8日に、ウイスキー文化の発展を目指す「ウイスキー・ラバーズ・アワード2009」の授賞式が都内で行われた。

   表彰されたのは5人。自分の世界観を創るためには日々の努力を惜しまない姿勢とウイスキーの「成熟」をかけた「Best Whisky Lover」として、歌手の山崎まさよしさん(37)、女優の小雪さん(32)が選ばれた。未来への成長が期待される才能あふれる若者に贈られる「New Whisky Lover」は、俳優の成宮寛貴さん(27)、栗山千明さん(25)だった。

   CMにも出演する小雪さんは、出演を機にウイスキーをたしなみはじめたといい、友人らと飲んでいると「ハイボール作って」とは時々言われる、と笑った。「生きていく上で、お酒はある種、究極のリラックス法。年齢を問わず色んな人が、色んな時間を過ごせる。爽快感があってコクのある味は飽きがないので時間をかけて、ゆっくり過ごすのに向いているのでは」

   長きにわたって第一線で活躍し、その実績がグローバルに認められている人をたたえる「Whisky Master」には、映画監督でコメディアンの北野武さんが選ばれた。武さんは「浅草の芸人出身ですから、先輩にはおごってもらい、怒られたりしながらウイスキーはよく飲んだ」と明かす。そして話はウイスキーと映画の共通点に及んだ。

「意外に映画と(ウイスキーの)ブレンドは似ていましてね。いいものばかりをブレンドしても、実はいいウイスキーにならない。(映画でも)扱いを失敗すると、スターが全員前に出てしまって、何がなんだかわからなくなってしまう。誰を引き立たせるかは脇の人による。映画監督のうまい人はここを心得ている。他の作品に出る役者を見て使ったが、全然違った(印象の)こともある。役者さんのせいではなく、扱う自分(監督)のせいなんですね」

   一方で、ウイスキーの楽しみ方については「お酒を介在した世界が好きだね。会話が違う方向に行くときに、いいアイデアがでたり、みんなで飲んでいて関係が近くなったりね」と話していた。

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