北野武「映画と(ウイスキーの)ブレンドは似ています」
そんな中で、2009年12月8日に、ウイスキー文化の発展を目指す「ウイスキー・ラバーズ・アワード2009」の授賞式が都内で行われた。
表彰されたのは5人。自分の世界観を創るためには日々の努力を惜しまない姿勢とウイスキーの「成熟」をかけた「Best Whisky Lover」として、歌手の山崎まさよしさん(37)、女優の小雪さん(32)が選ばれた。未来への成長が期待される才能あふれる若者に贈られる「New Whisky Lover」は、俳優の成宮寛貴さん(27)、栗山千明さん(25)だった。
CMにも出演する小雪さんは、出演を機にウイスキーをたしなみはじめたといい、友人らと飲んでいると「ハイボール作って」とは時々言われる、と笑った。「生きていく上で、お酒はある種、究極のリラックス法。年齢を問わず色んな人が、色んな時間を過ごせる。爽快感があってコクのある味は飽きがないので時間をかけて、ゆっくり過ごすのに向いているのでは」
長きにわたって第一線で活躍し、その実績がグローバルに認められている人をたたえる「Whisky Master」には、映画監督でコメディアンの北野武さんが選ばれた。武さんは「浅草の芸人出身ですから、先輩にはおごってもらい、怒られたりしながらウイスキーはよく飲んだ」と明かす。そして話はウイスキーと映画の共通点に及んだ。
「意外に映画と(ウイスキーの)ブレンドは似ていましてね。いいものばかりをブレンドしても、実はいいウイスキーにならない。(映画でも)扱いを失敗すると、スターが全員前に出てしまって、何がなんだかわからなくなってしまう。誰を引き立たせるかは脇の人による。映画監督のうまい人はここを心得ている。他の作品に出る役者を見て使ったが、全然違った(印象の)こともある。役者さんのせいではなく、扱う自分(監督)のせいなんですね」
一方で、ウイスキーの楽しみ方については「お酒を介在した世界が好きだね。会話が違う方向に行くときに、いいアイデアがでたり、みんなで飲んでいて関係が近くなったりね」と話していた。