「美味しくなければ返金する」という異例の取り組みで注目を集めたロッテリアの新製品をめぐり、ネット上で思わぬ波紋が広がっている。返品のためには、「半分以上食べていないこと」といった条件があるのだが、ニュースサイトの管理人が、全部食べた上で返金を要求。その一部始終を収めた動画を公開したところ、「こんなんするなん情けない奴」「ネタなんだろうけど、笑えないよ」と、撮影者を非難する声が上がっている。
ファストフード大手のロッテリアは2009年7月16日、新製品「絶妙ハンバーガー」を発売。「おいしいと感じていただけなければ、その場で返金させていたく覚悟をした」という触れ込みで、大きな話題を呼んだ。
「新絶妙バーガーを完食しても返金可能かやってみた!」
7月31日までの2週間で119万1897個を売り上げたが、同社の発表によると、返金されたのは2284個。率にして、わずか0.2%だ。返品理由としては「玉ねぎが辛い」「コショウや西洋わさびが効きすぎている」といったものがあったという。
ロッテリアでは「絶妙ハンバーガー」の好評を受け、09年12月4日、「絶妙ハンバーガー」にベーコンを加えた新製品「絶妙BLTバーガー」でも、同様の取り組みを始めた。この「絶妙BLTバーガー」の返品を要求する様子を、ネット上の話題を紹介するニュースサイト「秒刊SUNDAY」が動画とともに紹介し、波紋を広げている。同サイトでは、12月6日未明、「新絶妙バーガーを完食しても返金可能かやってみた!」との記事を掲載。同サイトとでは、09年7月にも
「実際に絶妙バーガを返却し、ただ飯が食えるか確かめてきた!」
と題して、返金を受ける様子を「実況」したという経緯があり、今回の記事は「続編」とも言える存在だ。
実は、返金のためには(1)半分以上食べていないこと(2)返金理由などをたずねるアンケートに協力する(3)返品は、購入した日のうちに、購入した店舗のみで受け付ける、といった条件があるのだが、あえて「完食」した状態で返金要求をしたらどうなるかを追ったものだ。
約4分間にわたる動画の冒頭、撮影者が、ベーコンだけを残した状態で返金を求めると、店長が「自信作!!万が一、おいしくなかったら、その場で返金します。12/18まで」と書かれた掲示物の中に小さく書かれた文字を指さしながら、前出の条件を説明。
店長が折れる形で、代金420円返金
そうすると、撮影者は、
「でも、ここ(大きい文字)しか普通読まないですよね?」
「美味しいと感じないんですよねー?美味しいと感じます?」
なとど反論。店長も
「それは表示の仕方による」などと応じたが、撮影者も
「私は美味しいと感じます」
「『いいもん使えば美味いだろう』という策略が好きじゃない。まぁ、あなたに言ってもしょうがないんですけど。それよりも、この表記の仕方が意図的過ぎて…。気付きますかね?『美味しくなければ返金する』って、消費者は思ってしまうんですよね…。『実はここに書いてある』というやり方は汚い」
などと店長を批判。結局は店長が折れる形で、代金420円の返金を受ける場面で動画は終わっている。
動画では、店長が「『(食べ残し)半分以上』という規制は設けないと…」と話す場面が収められているだが、このタイミングで、画面には「秒刊みたいな奴を防止する為の説明」とのテロップが表示される。いわば、撮影者が「確信犯」であることを自ら示した形で、動画上には
「こんなんするなんて情けない奴」
「ネタなんだろうけど、笑えないよ」
「気持ち悪いな 何も面白くない」
といった、撮影者を批判する声も多い。もっとも、
「ぐだぐだ言うなら こんなキャンペーンするなよ」
と、ロッテリア側の表示の不明瞭さを問題視する声もないわけではない。
なお、7月のキャンペーン際の「返金率0.2%」は、前出の条件を満たしたもののみがカウントされており、「完食」したにもかかわらず返金に至った例は集計されていないという。ロッテリアの広報担当者も、
「余り聞かないですね…」
と苦笑いしていた。