鳩山首相、相変わらず「揺れる」発言
一方、対照的に渋い表情を見せたのが、年内決着に向けて東奔西走してきた岡田外相だ。「普天間基地の危険性を一刻も早く除去することが重要」という岡田外相は10月23日の記者会見で、時間的な制約の観点から「県外というのは事実上選択肢として考えられない」という見解を表明。現行計画か、県内の嘉手納基地への統合案を念頭に、閣僚級作業グループでアメリカ側と協議を進め、沖縄を訪問して現地の様子を視察するなどしてきた。
ところが連立政権内の反発によって、早期決着は遠のくことになった。岡田外相は12月4日の会見で「連立政権が壊れるということは避けなければならない」と社民党への配慮を示しながらも、「越年」がもたらす悪影響について、
「もちろんアメリカの議会の問題もある。また年を越したことで、移転実現を遠のかせることになるのではないか、つまり、今の普天間の危険な状況が長く続くことになる可能性がある」
と語り、外相としての懸念を明らかにした。
このような混乱状況のなか、鳩山首相の念頭には「グアム移設案」があると伝えられている。その一方で、4日朝には「当然のことながら辺野古は生きている」とも発言。県内なのか県外なのか、いまだにはっきりしない状態だ。