最低でも時給3000円~5000円のカラクリ
だが罰金(制裁金)については、労働基準法で上限がきちっと決められている。仮に就業規則に減給制裁の規定があったとしても、その金額は一日の給料の半分を超えてはいけないのだ。キャバクラで働いた経験をもつフリーター全般労組の根来祐さんは
「罰金システムは大抵のキャバクラで行われていて、経営者はそれが常識だと言うが、法律に照らせば違法な場合が多い。それでもキャバクラ嬢たちは『自分のほうが悪い』と思いがち。そんな彼女たちの低い自尊心を利用して働かせている」
と憤る。雑誌やネットの求人広告には、最低でも時給3000円~5000円をうたうキャバクラの募集が多数出ているが、根来さんは「広告の時給ほどもらえるわけではない」と警告する。
「ドレスの費用や髪のセット代、花代などでいろいろひかれてしまう。自分で化粧をしても化粧代を取られ、福利厚生なんて全くないのに福利厚生費という名目でひかれることもあるんですよ」
お金をめぐるトラブルだけではない。店長が権限を利用してセクハラをしたり、客の理不尽な行為を店のスタッフが見て見ぬふりをしたりするケースも後を絶たないようだ。
最近は不況の影響で、派遣契約を切られたりバイト先をクビになったりして、仕方なくキャバクラで働き始める女性も多い。だがその先に待っているのは、決して生やさしい世界ではない。