性転換者の美人コンテスト「ミス・インターナショナル・クイーン2009」で優勝したタレント・はるな愛さん(37)が2009年12月3日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。「トランスジェンダーという『個性』を持って生きていこうと決めた人が住みよい世界になれば」と目に涙をためて訴えた。また、テレビでおなじみのパフォーマンス「エアあやや」も披露。会場を沸かせていた。
はるなさんが同協会に招かれてスピーチするのは初めてで、記者会見場に入る時も、入口で「よろしくお願いします」と一礼し、
「わぁー。緊張しちゃう。嬉しい。(演台背景の青い幕を見て)テレビで見たことある」
と、終始緊張した様子。
「皆さんの前でスピーチ出来て幸せです」
会見冒頭、
「はじめ、本名は大西賢示という男らしい名前で男として生まれて、女の子になりたくて、テレビの世界のアイドルになりたくて、ずっと夢を見てきました。でも、なんか上手いこといかないのが人生だったので、今日、本当に、こうやって皆さんの前でスピーチ出来て幸せです」
と、涙を流しながらスピーチ。
「私と同じように、トランスジェンダーとして生まれてきた人や、ゲイの人たちは、ひとつの『個性』と思っています。個性を持って、しっかり自分と向き合って、生きていこうと決めた人たちが住みよい世界になればと願っています」
などと訴えた。
はるなさんがコンテストに挑戦したのは、07年以来2度目で、コンテストはタイの観光地パタヤで09年10月31日に開かれた。
マンションへの入居を5回連続で断られた
質疑応答では、
「日本は保守的なのに比べて、タイなどアジア諸国は(トランスジェンダーなどに対して)オープン。日本は、これらの国から何を学べると思うか」
という質問に対して、
「タイでは、ホテルやテレビなど、ニューハーフの人に仕事がすごく多い。日本は、そういった意味でもすごく遅れている」
として、芸能界で「売れっ子」になる前は、ニューハーフであることを理由にマンションへの入居を5回連続で断られたエピソードを披露。
「普通に暮らせるようになりたい。これらの国を見習って欲しい」
などと話した。
会見では比較的真面目なやりとりが中心だったが、歌手の松浦亜弥さんの歌を「口パク」で披露する芸「エアあやや」を披露する一幕も。
会見後に行われた芸能マスコミとの囲み取材では、会見を「まずまず~?」と振り返る一方、
「緊張して、あんまり(会見前に出された)ご飯も食べられなかった。(会見に招待されるという形で)人に必要とされたのが本当に幸せ」
と、やはり涙ながらに話していた。