メガバンク次々増資に動く? 株式市場に悪影響

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「希薄化で既存株主が犠牲になる」

   とりわけ金融危機で打撃を受けたみずほは、大規模増資が避けられないとの見方から、三菱UFJFGが増資を発表した18日以降、株価の下落が目立つ。株価低迷が続くと、増資をしたくてもできない状況となり、リスク資産を圧縮することで自己資本を高める「縮小均衡」に追い込まれる。そうした切迫感から、11月13日の決算会見で「狭義」の数値を聞かれたみずほFG幹部が「そんな定義は(まだ)無い」と気色ばむ一幕もあった。

   今後予想される大規模増資が問題なのは、規制強化への対応に軸足が置かれ、明確な成長戦略を前提とするものではないからだ。三井住友FGが6月に約8600億円の増資を実施した時には、日興コーディアル証券買収で銀行・証券一体となった金融サービスを展開するというシナリオを描けたが、現状でにわかにメガバンクの収益を高める戦略は、各行とも提示できていない。

   東京証券取引所の斉藤惇社長は11月24日の会見で、事業会社を含めた最近の大規模増資の動きに対し「希薄化で既存株主が犠牲になる」と警戒心を示した。メガバンクの増資攻勢は、円高などで下押し圧力が高まっている株式市場への重しとなりかねない。

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