年末の風物詩とも言える「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表された。今年の大賞は「政権交代」だったのだが、ネット上では「納得できない」との声が続出。大賞決定を伝えるテレビ番組でも、出演者が次々に違和感を口にするという、ちょっと珍しい光景が繰り広げられている。
流行語大賞が始まったのは1984年で、09年は26回目にあたる。60ある「ノミネート語」から審査委員会がトップ10と大賞を選ぶ段取りだ。その結果2009年12月1日に発表された大賞は、「政権交代」だった。それ以外のトップテンは、「こども店長」「事業仕分け」「新型インフルエンザ」「草食男子」「脱官僚」「派遣切り」「ファストファッション」「ぼやき」「歴女」。05年以降、「大賞」は複数が選ばれてきたが、4年ぶりに1つのみの選出となった。
芸人の「キメ言葉」がランクインしなかった
今年選ばれた10の言葉、必ずしも「流行語」としての評価は高くないようだ。例えば、発表から一夜明けた09年12月2日朝のワイドショーでは、「お笑い系」が入らなかったことに関する違和感を指摘する声が相次いだ。
フジテレビの「めざましテレビ」では、高島彩アナウンサーが
「芸人の『キメ言葉』みたいなの、入らなかったですよね?トップ10には。オードリーの『トゥース!』とか入らなかったんですよね」
と指摘。軽部真一アナウンサーも、
「特徴としては『トゥース!』も『あると思います!』(エロ詩吟・天津木村)も『家電芸人』も入らなかったこと。お笑い系が入らなかったのは珍しいかも知れませんね」
と強調した。
この直後の番組「とくダネ!」では、街頭インタビューで
「流行語っていうより、ただ単に事実」
「『歴女』知ってる?私知らない」
と否定的な声を紹介した上で、笠井信輔アナウンサーが、ここ6~7年の傾向として
「政治家の皆さんの言葉、お笑いの皆さんの言葉。このあたりが確実にトップ10に入ってきている」
などと解説。09年の選考の傾向が例年と異なっていることを強調した。
確かに、ここ数年の大賞をみると、「グ~!」(08年、エド・はるみ)「(宮崎を)どげんかせんといかん」(07年、東国原英夫・宮崎県知事)「イナバウアー」(06年、荒川静香)、「想定内(外)」(05年、堀江貴文)といった具合で、受賞者の顔が容易に想像できるものが多い。