長谷川洋三の産業ウォッチ
米国大使発言の真意:「米国が全て正しいわけではない」

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「米国が全て正しいわけではない(USA is not perfect)。どの国も最高の実例に学んでいる。(Every country learn the best practice)。米国企業も日本から学んでいる(USA learn Japanese company)」

   ジョン・V・ルース(John V.Roos)駐日米国大使は2009年11月20日、東京・六本木の政策研究大学院大学(GRIPS)で開いた財団法人本田財団主催の「Global Entrepreneurship Week(グローバルに活躍する起業家)」でこう発言した。ルース大使は起業家のあり方について発言したものだが、米国は日米関係について最近しきりと「同等の関係(equal partnership)」を強調しており、ルース大使の発言も米国モデルを必ずしも押し付ける姿勢にはないことを示唆したものと関係者は受け止めている。

   ルース大使は米スタンフォード大学の出身で、シリコンバレーに居を構え、国際競争力のある技術を持つ成長企業などに融資する投資銀行とベンチャー投資会社の法律顧問事務所で約20年間活躍してきた経歴がある。それだけにシリコンバレーが起業家を育てる上で非常に優れた環境にあることを強調したが、

「日本のCEOと話した際、起業家を支援するという言葉に非常に勇気づけられた」

   と日本を持ち上げた。

   ルース大使が着任したのは09年8月。早々に政権交代を経験し、沖縄・普天間の米軍基地の移転問題をめぐって日米間の不協和が表面化するなど難しい局面にぶちあたった。しかしオバマ米大統領の来日の際もあえて結論を急がず、日本の出方を見守るなど柔軟な姿勢を見せている。「米国がすべて正しいわけではない」といった発言にも、ルース大使ならではの低姿勢ぶりが現れているといえそうだ。

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