前代未聞「TBSカート事故」 遼くんブーム過熱が背景?

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   「遼くんブーム」に沸くゴルフ場で前代未聞の事故が起きた。石川遼選手らのプレーを中継するTBSのスタッフ用カートが観客に突っ込み、4人に重軽傷を負わせた。TBSは約2週間前に、英国人女性殺害事件の市橋達也容疑者の取材をめぐってディレクターが公務執行妨害の疑いで逮捕されたばかり。ネットばかりでなくマスコミからも「またTBS!」という声があがったが、「ブームの過熱で起こるべくして起きた事故」と指摘する声もある。

   事故が起きたのは2009年11月29日、男子ゴルフ賞金王争いの首位に立つ石川選手が出場した「カシオワールドオープン」の最終日だった。会場となった高知県芸西村のKochi黒潮カントリークラブに集まった約7000人のギャラリーの多くが、2番ホールをラウンド中の石川選手を追って移動しているときに惨劇は発生した。

ネットもマスコミも「またTBSか!」

   TBSの中継機材を載せたカートは、前を行く群衆をはねながら約10メートル暴走。下敷きになった30代の女性は眼窩底を骨折し、顔・手・脚に擦り傷を負うという重傷だった。事故原因について、TBSは「下り斜面でギャラリーを避けようとして、ハンドル操作を誤った」と説明しており、「それ以上のことは現段階ではわからない」という。

   カートを運転していたカメラマンは、高知県安芸署から業務上過失致傷の疑いで任意の事情聴取を受けたが、事故を起こす前から「強引な運転」が問題になっていたようだ。産経新聞やスポーツ報知は、このカメラマンが大会期間中にカートの運転について注意を受けていたという大会運営スタッフの声を紹介している。

   TBSといえば、約2週間前の11月12日に、情報番組「朝ズバッ!」のディレクターが送検される市橋容疑者の様子を「強引に」取材しようとして、公務執行妨害容疑で逮捕されたのが記憶に新しい。またゴルフ関係では07年6月、当時アマチュアだった石川遼選手が出場していた大会で、同伴競技者に小型マイクの装着を依頼したことが発覚して問題になった。

   そのようなことからネットでは、2ちゃんねるやはてなブックマーク、ミクシィ(mixi)、ツイッター(Twitter)など様々なところで、「またTBSか」というコメントが書き込まれた。マスコミでも、スポーツ報知は「またTBS!」と見出しに掲げて、カート事故を報道。記事の下に、最近のTBSの主なトラブルを一覧にして表示した。

「プロゴルフ協会が責任を持って早急な対策を取るべき」

   しかし、「TBSだけの問題ではない」という意見も少数ではあるが、存在する。現場にいて、事故の様子を目撃したというゴルフ関係者は次のように語る。

「本来ゴルフカートは性能のいいものではないので、運転していたスタッフだけの責任とは一概に言えず、いろいろな事情が重なって事故が起きたのではないか。最近の石川遼くんをめぐるブームは過熱しすぎで、報道もギャラリーも異常な状態だった。起こるべくして起きたというのが、現場にいた者の実感だ。二度と同じような事故が起きないように、プロゴルフ協会が責任を持って早急な対策を取るべきだろう」

   たしかに事故が起きる直前の写真をみると、まるで祭りの神輿のように、多数のギャラリーの真ん中をカートが進んでいく異様な光景だ。少しの運転ミスが大惨事につながるような「状況」にこそ問題があったと見えなくもない。現場スタッフを統括するTBSのプロデューサーは「スタッフには無理な運転をしないように注意していた」というが、その指示は十分だったのか。「強引な運転」を強いるような無理な要求はなかったのだろうか。

   TBSでは「近日中に、ゴルフの主催者とも相談しながら再発防止策に着手したい」(広報部)としている。

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