植毛や医薬品にシフトしている?
オーダーメードのかつらは高いもので80万円する。頭の型どりしてベースを作り、そこに毛を1本1本手作業で植え付けていくため、人件費がかかる。さらに飛び込み営業がしづらいので、広告費を莫大にかけているのも響いている。
高額なかつらでも1回買ったら終わりではなく、定期的なメンテナンスも必要だし、数年経ったら買い替えないといけない。特に1日中つけていることが多い男性の場合は皮脂で傷みやすく、2~3年おきに交換しなければならない。痛みが少なくても、薄毛の進行具合にあわせて買い替えとなる。高額な上に消耗品とあって、不況下ではなかなか手が出しにくくなっているようだ。
日本毛髪業協会によると、かつら、育毛、増毛をあわせた市場規模は1400億円だ。このうち1000億円弱を占めるかつら市場は年々縮小傾向にあるという。
協会の担当者は、
「かつらは高額ですので、不景気の影響を受けやすいんです。それでも女性用は伸びているほうですが、男性用は下降気味です。不景気の影響だけでなく、薄毛対策が植毛や医療機関の医薬品使用といった別の方法に移行しているのも、市場が縮小している要因です」
といっている。