プロボクサーの亀田興毅選手(23)が2009年11月29日、WBCフライ級チャンピオンの内藤大助選手(35)を破り、2階級制覇を成し遂げた。興毅選手と言えばこれまで「亀田一家」の長男として、ネットで散々叩かれていたが、今回の勝利でそれも変わり、「人間的に成長した」といった書き込みが相次いでいる。
興毅選手は29日夜、さいたまスーパーアリーナで開かれたWBCフライ級タイトルマッチで、6度目の防衛を目指す内藤選手を3―0の判定勝ちで下した。興毅選手は、前に出て得意のフックを出そうとする内藤選手から距離をとり、カウンターで対応。経験で勝る内藤選手に冷静に立ち向かい、着実にポイントを重ねたのが勝利に繋がった。
亀田一家は完全な「悪役」だった
今回の試合はTBSで生中継され、平均視聴率は43.1%(ビデオリサーチ社調べ 関東地区)と、歴代ボクシング中継の中でもトップクラスの数字を記録。「因縁の対決」に世間が注目した。
内藤選手と亀田一家は07年10月に次男、大毅選手とタイトルをかけて初対戦。試合前には、大毅選手が内藤選手を「ゴキブリ覚悟しとけ!」と挑発し、父・史郎氏も「内藤はゴキブリの親玉」と罵倒した。
さらに試合終盤には、大毅選手が内藤選手を投げ飛ばし、減点される場面もあり、亀田一家は完全な「悪役」になってしまった。29日の対戦の際も、ネットで「内藤頑張れ! 亀田マジ氏ね」「内藤の健闘を期待」と内藤選手を応援する書き込みが相次いでいた。
しかし、今回試合を終えたことで、その風向きも変わりつつある。亀田一家を最も叩いていた2ちゃんねるでさえも、
「実際経験者の俺から見ても亀田の圧勝だった」
「試合内容はともかく今回は普通に亀田の勝利だろ…
素人目に見ても後半は両者のフットワークに差が出てるし」
と、素直に興毅選手の勝利を認める書き込みが多い。「【内藤信者】亀田の勝利を祝おう!【涙目】」というスレッドも登場するほどだ。
横柄な言葉遣いではなく、丁寧語で話していた
また、試合後のインタビューでは興毅選手が「もっともっと努力して頑張っていきますので、皆さん応援よろしくお願いします。それと内藤選手、ありがとうございました」と、普段の横柄な言葉遣いではなく、丁寧語で話していたことから、
「人間的に成長しようとしてるのが分かるし、そろそろ世間も許してやれよ(笑)」
「亀1(興毅)は表情や立ち振る舞いが大人になったな 自分が同じ年齢だった時を考えたら何も言えねーよw」
「亀田ですら成長してるというのにお前らと来たら」
という書き込みが多数寄せられている。
一方、内藤選手に対しては
「亀田は強かった、それで十分。 内藤も健闘したけど年齢には勝てない」
「内藤選手お疲れさま 鼻が早く治りますように」
といった書き込みが多いようだ。35歳でボクサーとしてのピークを過ぎていたにも関わらず、10歳以上年下の興毅選手相手に健闘したと讃えている。