焼いた煙が気にならないバーのような店作り
東京吉祥寺にある「わ」は7年前にオープンしたニュータイプのホルモン店の先駆け。バーのようなモダンな店作りで、七輪で焼いた肉の煙の臭いが服につかないように工夫を凝らした。オープン当初から女性客は多く、現在も5割が20代、30代の女性だ。オーナーの光山英明さんによれば、女性客を意識して店を作ったわけではないそうで、ホルモン焼きを食べたい女性の需要は昔からあった、と説明する。若い女性客はお腹いっぱい食べ、飲んでいくのが特徴だが、ビールなど酒類を注文しない若い女性が増えているのだという。
「最近の若い人は酒をあまり飲まなくなっていて、ウーロン茶片手にレバ刺しなども食べています。ビールに500円払うよりも、ホルモンを追加したい、ということのようです」
と話している。
若い女性のホルモン焼店通いが注目されるきっかけになった本が「悶々ホルモン」(新潮社)。著者は佐藤和歌子さん(28)で、ホルモン大好きな女性「ホルモンヌ」の名付け親でもある。ホルモン好きは「ホルモニアン」という呼び方があったが、男性のイメージが強いため、女性に合った呼び方はないものか、と考えた。「悶々ホルモン」はマンガ週刊誌「モーニング」に連載したもので、担当の女性編集者と相談し「ホルモンヌ」に決めた。
「もともと焼肉店に行くとカルビよりミノやレバ刺しが好き、という人もいて、若い女性でホルモン店が賑わうのは不思議ではないんです。ブームになった『もつ鍋』は季節が関係しますが、ホルモンは1年中OKということもあり、人気はまだまだ続くのではないでしょうか」
と佐藤さんは分析している。