「不況時のセオリーではある」
船井総合研究所の経営支援部フードビジネスグループ・チーフコンサルタントの二杉明宏さんは、牛丼チェーンの値下げに「不況時のセオリーではある。政府のデフレ宣言があった影響も考えられる」と指摘する。もっとも、松屋以外が継続を足踏みしているのは「まわりの出方を見ているのでは」とも言う。
牛丼店は回転率が重視される業種だ。それだけに、顧客をいかに呼び込めるかが鍵となる。それに、牛丼チェーン店の10月までの既存店売上は、松屋6か月連続、すき家が9か月連続、吉野家が8か月連続前年割れと苦戦が強いられていた。
こうした状況を「コンビニや百貨店も低価格弁当を仕掛けてきた。働く人たちのランチ事情が考えられる。選択肢が増えてきたことで、顧客の奪い合いがある」と分析する。二杉さんは、値下げによって顧客数を確保するのにくわえ、利益が出る仕組み作りとPRの仕方が重要になるだろう、と話していた。