覚せい剤取締法違反で懲役1年6か月、執行猶予3年となった女優の酒井法子さんが、福祉や介護の勉強をするために入学した創造学園大学(群馬県)のPR動画に登場した。ただ、裁判が終わったばかりの酒井さんを「広告塔」として使うののはいかがなものか、という批判もあり、大学側は2009年11月27日付けで、釈明とも見られる説明文を掲載した。
酒井さんは、9月17日に保釈され、11月9日に判決が下されるまでの間に面接と小論文で同大学のソーシャルワーク学部に合格。eラーニングを使って単位を取得するコースで、在宅で60単位、群馬県の高崎本校や東京校に定期的に通って64単位の計124単位を履修する。11月18日にオリエンテーションを受けるため初登校した。
酒井さん、笑い声交えながら語る
大学サイトのトップページには「酒井法子さんが入学 【オリエンテーションに来校】」という項目があり、そこから辿ってYouTubeの同大学公式チャンネルに行くと、酒井さんが登場する動画を見ることができる。
動画のタイトルは「酒井法子オリエンテーション」。酒井さんが、初登校したときの様子を写した10枚の写真を、スライド式で流している。酒井さんが職員から説明を受けたり、学生たちと交流したりする様子が見られ、長さは1分ほど。英語と中国語の簡単な説明書き付きで、アップされた日付は23日となっている。
動画には酒井さんの肉声も付いており、
「学生の方との直接ふれ合うことができた。みなさん本当に心が広くて、男性も女性も、年齢も関係なく、同じ場所で一緒に学びましょうと、楽しみましょうという気持ちがダイレクトに伝わってきて、凄くそれが嬉しかったです」
と笑い声を交えながら語っている。
大学側「酒井さんの学習環境を保障するため映像を発信」
動画の最後には酒井さんの写真とともに、「一緒に頑張りましょう!」という文字が掲載されており、大学も酒井さんの入学を絶好のPR機会と捉えているようだ。ただ、裁判を終えたとはいえ、芸能活動を休止している酒井さんを広告塔に使うのはいかがなものか、そんな指摘もマスコミから出ている。そうした批判を意識したのか、大学側は11月27日付けで「酒井法子さん映像掲載について」という説明をサイトトップに掲載した。
その中で、酒井さんが初登校した18日には約100人の報道陣が詰めかけ、「学生の落ち着いた学習環境が著しく損なわれました」と指摘。今後は来校する酒井さんと一般の学生の環境を保障するため、アポイントのない取材を断るとともに、「こちらから一学生としての酒井さんの様子を適宜発信することによって、今後の飛び込み取材等による混乱なきようにしたいと考え、映像等を発信することにしました」と釈明している。
さらに、酒井さんの入学に関しても「厳しい意見」があったことも認めたうえで、「酒井さんは真剣に学修したいとおっしゃっております。124単位を取得して必ず卒業するとおっしゃった酒井さんを大学としても応援しております。『更生』という目標のために努力する酒井さんの姿を見て、学生たちも共に勉強することを歓迎し、これからの日々を楽しみにしています」としている。
酒井さんの登場する動画はこれまでに約5万回掲載されており、
「のりピーが元気そうな様子なので安心しました。これからもいろいろなことがあるとは思いますが、自分のペースで頑張っていってほしいです」
というコメントが寄せられている。