自動車メーカーにとっては販売にも影響する
以来、日本には2大カー・オブ・ザ・イヤーが共存する形となっているが、日本カー・オブ・ザ・イヤーは高級車やスポーツカーの受賞が多く、軽自動車の受賞はこれまで一度もない。これに対して、RJCカー・オブ・ザ・イヤーは技術や独創性を重視し、庶民の足である軽自動車や大衆車の受賞が多いなど、両賞は実質的に棲み分けを図ってきた。このためか、両カー・オブ・ザ・イヤーの大賞を同じクルマが受賞したケースは、91年度以降の19回のうち、01年度の「ホンダフィット」など4回しかない。
両カー・オブ・ザ・イヤーの受賞は、自動車ファンだけでなく、自動車メーカーにとっては販売にも影響するため注目度が高い。2006年度までは新参のRJCが先に受賞車を発表していたが、「日本カー・オブ・ザ・イヤーはRJCと異なるクルマを選ぼうとしている」との批判が起き、07年度からはRJCよりも日本カー・オブ・ザ・イヤーが先に発表するようになるなど、両賞はライバルとして何かと話題が多い。2009年度のプリウスとインサイトの受賞も、両賞の棲み分けの具体例として記憶されるに違いない。