景気は7~9月期を境に減速に転じるとの見方
財政出動を迫られた民主党政権が、日銀に国債の直接買い入れを迫る懸念もあるが、中央銀行の信頼性に関わる問題だけに日銀は絶対に避けたいところだ。
このため日銀の白川方明総裁は20日の会見で、さまざまな予防線を張った。「物価下落が続いている」という認識は政府と共有しつつも、デフレと認定することは避け、「(足もとの物価下落は)需要の弱さが原因」と指摘し、市場に資金を流しても抜本的な解決にはならないとの考えを示した。さらに「企業の成長機会を確保することが重要」とし、政府の構造改革こそが優先されるとの見解を披露した。
いずれにしても、景気は7~9月期を境に減速に転じるとの見方が強く、政府と日銀が責任のなすりつけ合いをしている余裕はない。まずは政府が中長期的な成長戦略を示して市場に安心感を与え、日銀も超低金利政策などで景気を下支えする姿勢をより強く見せることが必要のようだ。