名古屋市議会は2009年11月24日、記者クラブ側から求められていた委員会審議のテレビ撮影を許可しないと発表した。理由は「緊張するから」。全国の政令指定都市で委員会のテレビ撮影を認めていないのは少数派で、ネットでも「政治家としてどうなんだ」といった厳しい意見が寄せられている。
同市議会事務局によると、11月9日に名古屋市政記者クラブから吉田隆一議長に「11月議会は、河村たかし市長の目玉公約の市民税10%減税や地域委員会などが委員会で審議され、市民の注目がかつてないほど高まっている。市民の知る権利に応える為にも、撮影と録音を許可して頂きたい」という申し入れがあった。
「議会改革」の議論見られたくない?
これを受けて議会運営委員会理事会や常任・特別委員長会で協議した。録音は許可するとしたものの、テレビ撮影は従来通り「冒頭のみ可能」と決定した。吉田議長は、「カメラの前で議論をしたことがなく慣れていない。気持ちが高ぶり緊張して思うように話せなくなる」と説明している。
事務局によれば、18の政令指定都市のうち、委員会審議の撮影を認めていないのは名古屋市や大阪市、千葉市などの5都市だけ。事務局は「委員会の部屋が小さく、スペースの問題もある」と説明するが、河村たかし市長の支援団体「新生名古屋政策研究会」の男性会員は、
「議会が撮影を許可しないのはある意味当然」
と話す。なぜなのか。河村市長が強く推している政策の1つに「議会改革」がある。
「河村市長は、市議会議員の数を今の75人から35人程度の半分に減らし、議員報酬も年2300万から半分の1200万に減らす方針を打ち出しています。議員でそれを支持している人はほとんどいません。今後議会で自分たちの既得権益を議論することになりますから、その様子を市民に見られたくないのでは」
一方、ネットの「ツイッター」や「mixi(ミクシィ)」などでは、「気持ちは分かるがそんなこと言ってる場合ではないでしょうに…」といった意見や、
「選挙のときなどでテレビにでるのは緊張しないのでしょうかね」
「そんなシャイな人は政治家には向かないだろう」「政治家としてどうなんだ」
など、市議会に対して厳しい意見が寄せられている。