内閣高支持率保つ「事業仕分け」 透明性が国民の評価うける

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鳩山首相が「仕分け会場」を視察

   「いまの政権にとっては事業仕分けが最大の武器」と気付いたのかどうか。「後半戦」初日となった11月24日の午後には、鳩山由紀夫首相が会場の国立印刷局市ヶ谷センターに足を運び、仕分けの現場を視察した。仙谷由人行政刷新担当相らととともに3つのワーキンググループの議論を駆け足で傍聴した鳩山首相は、

「非常に短い時間だったが、国民のみなさんのために仕事をしているという熱気を大変強く感じた。国民のみなさんの監視の中で予算が作られるということだけでも大きな違いだと思う」

と自画自賛。事業仕分けの受け止め方について、

「それぞれ真剣な勝負の中で結論を出してきたものであり、国民の7割、8割が『いいじゃないか。やれよ、事業仕分け』という気持ちになってくれている。それを私は基本的に重視することが大事だと思う」

と述べ、事業仕分けが国民に支持されていることを踏まえて、その結果を重視する姿勢を鮮明にした。

   事業仕分けに対しては、各界から批判もある。「こういうことが1時間でできるとは到底思えない」(東国原英夫・宮崎県知事)といった手法に対する非難や、「何%減らすからこうだとか乱暴すぎて、(事業仕分けは)科学にはなじまない」(益川敏英・京都産業大学教授)といった仕分け対象についての反発。11月24日には、東京大や京都大、早稲田大など9大学の学長が、スーパーコンピューターの開発凍結など科学技術予算の削減を提案している状況に対して、「世界の潮流に逆行し、さらなる国家の危機を招く」と見直しを求める異例の共同声明を発表した。

   しかし、そのような批判が起きるのも、事業仕分けが公開の場で行われているからだともいえる。「公開したのは大正解だったと思う」というのは、ビデオジャーナリストの神保哲生さんだ。

「国民の間には、政府にはムダな事業が多いという共通認識がある。事業仕分けが評価されているのは、ムダがひどいという思いの強さの現れだろう」

   国民の関心の高さは、仕分け会場への来場者の多さという形でもあらわれた。11月24日は2500部用意した午後の資料が15時すぎになくなってしまう大盛況。行政刷新会議のスタッフは

「一般の入場者は前半戦よりも多い。週末にテレビで取り上げられていたので、実際に見てみようという人が増えたのではないか」

と驚いた様子で語る。インターネット中継も好評で、同時に1万人以上がアクセスしているという。鳩山首相と同時刻に会場で傍聴していた神奈川県在住の男性(62歳)は

「日本が変わろうとしていることを実感したくて、来てみた。事業仕分けのやり方はもっと研ぎ澄ます必要があると思うが、透明性が高まるのは大変いいことだと思う。鳩山政権は外交などが心配だが、まだ期待感をもっている」

と話していた。

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