読書をビジネスに役立てよう! 若い人集まる「読書会」が人気

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   SNSを通じて見知らぬ人同士が集う「読書会」が人気を集めている。とりわけ若いビジネスマンが、仕事に役立てようと意欲的に参加している。主催者の一人は、「会社内だけで学べることだけでは不安だと感じているのかも」と指摘する。

   「アウトプット勉強会」は2006年、もともとは名古屋で、友人4人と始まった。主催者の山本多津也さん(44)が、本を読むのが苦手という友人から相談を受けたのがきっかけだ。小規模な読書会だったのが3か月後、クチコミで30~40人に拡大。2007年には連絡用にと、SNS「mixi」でコミュニティを立ち上げると、2年後には1000人が集まった。今では2700人以上が登録している。

10月の課題本はD・カーネギー「人を動かす」

   読書会は現在、東京と愛知で月一回ペースで、会議室などを利用して行われている。参加したい場合はmixiを通じて連絡をとる必要があり、指定された一冊の書籍(ビジネス書が中心)を読んでくることが課せられる。たとえば、東京・10月の課題本は、アメリカの実業家、D・カーネギー「人を動かす」だ。18時からはじまった会には91人が参加。10人程度の小グループにわかれ、課題図書についての発言を重ねていく。

   山本さんはアウトプットの重要性を指摘する。一人の読書ではふつうインプットばかりが多く、アウトプットが少ない。そのせいもあって、本の内容は半年もすれば忘れてしまう。ただ、「人に説明することで自分の理解も深まっていく。わかったつもりだったことが、明確になる」とその意義を語る。参加者には、ビジネススキルを高めたいという意欲的な人が多い。

   相手の意見を否定するのはルール違反だが、反論によって議論が白熱することはよくある。参加者は20代~30代が多いと言い、山本さんは「読書会」の魅力を、「コミュニティの面白さでしょう」と話す。

   「若い人のコミュニケーション能力が低いと一般的には言われています。この状況を私は、趣味が細分化したこともあって、共通の何かを話せないから、探り合いが続いているように思います。ところが、読書会は課題の本が決まっていて、話しやすい雰囲気です。会を通じて、仲良くなっていくというのも面白いのでしょう」

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