「過払い金」返還をめぐり 司法書士・弁護士とのトラブル相次ぐ

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「報酬体系を明確にさせておくべきだ」

   トラブルはなぜ増加してしまったのか――。「生活サポート基金」横沢さんは、2009年1月22日にあった最高裁判決で、過払い金の消滅時効(10年)の起算点が「取引終了時」とされ、取り扱う事案が増えたこともある、と指摘する。これが「過払い金返還請求」をビジネスと見込んだ弁護士・司法書士の参入に拍車をかけた。最近では、「過払い金解決」をうたう広告が特に目立つようになっている。

   こうした状況を問題視した日弁連は2009年7月17日、「債務整理事件処理に関する指針」を公表した。その中で、債務整理の際には直接面談すること、債務者の意向を十分に配慮すること、丁寧な説明を行うことを改めて記した。11月4日の定例記者会見ではさらに、指針に沿った業務がされているかについて実態調査をするとした。一方の司法書士連合会では10月19日、過払い金返還請求事件の所得隠ぺいを国税局に指摘された例が出たのを受けて、「業務全般に対する執務姿勢を見直す」という会長声明が出されている。

   横沢さんは「(過払い金返還請求が)ビジネスと言われてしまえばそれまでだが、債務者の生活再建という視点に立って、フレキシブルにやるべきではないだろうか」と指摘する。また、トラブルに巻き込まれないためには「依頼者は報酬体系をきちんと聞き、明確にさせておくべきだ。そして、債務整理の相談を公的な機関――弁護士会の法律相談センター、法テラスなどにしてみるというのも手でしょう」とアドバイスしている。

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