「ビジネス向け」ブラックベリー 2010年には「ゲーム機」にシフト?

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   世界中でスマートフォンをめぐる競争が激化するなか、これまでは「ビジネス向け」と思われてきたブラックベリー(BlackBerry)が、ゲームマシンとしての要素を強めそうだ。

   アプリケーション(アプリ)をインストールしてゲームなどを楽しめるアイフォーン(iPhone)と同様、外部ソフトウェア会社がブラックベリー向けのソフトを開発する仕組みを発表したのだ。一方、スマートフォン市場ではグーグル社のOS「アンドロイド」搭載の携帯も猛烈に追い上げを見せるものとみられ、「三つどもえ」になる可能性もある。

市場全体が頭打ちの中、スマートフォンは急激な伸び

国内では、NTTドコモが08年から個人向けサービスを展開している
国内では、NTTドコモが08年から個人向けサービスを展開している

   調査会社の米ガートナー社が2009年11月12日発表した調査結果によると、全世界で09年の第3四半期(7~9月)に販売されたスマートフォンの台数は前年同期比12.3%増の4106万7600台。携帯電話全体の販売台数は同0.1%増の3億886万9300台なので、携帯電話市場全体としては頭打ちの一方、スマートフォンは急激な伸びを見せていることが分かる。

   スマートフォン市場のシェアを見ると、首位のノキア(39.3%)を、ブラックベリーの製造元であるカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)社(20.8%)と、アイフォーンの製造元のアップル社(17.1%)が猛追するという構図だ。OS別に見ると、アンドロイド搭載携帯は「デビュー直後」だということもあって、シェアは3.5%にとどまっているものの、第4四半期には、伸びを見せるものと見られている。

   ブラックベリーは、キーボード付きの端末が特徴で、通話・メール送信以外に、ワードやエクセルのファイルを見る機能を備えている。独自のセキュリティーシステムが評価され、欧米を中心に普及が進んだが、日本でもNTTドコモが06年から法人向けにサービスを開始。08年8月からは、中小企業や個人向けにもサービスが始まった。だが、ブラックベリーは、どちらかと言えば「ビジネス向け」。ゲームや動画再生用のアプリをインストールして楽しめるアイフォーンとは一線を画していた。

ブラックベリー向けにソフトを作るための仕組み公表

   ところが、RIM社は2009年11月9日、米サンフランシスコでの開発者向け会議の中で、ブラックベリー端末とゲームとの親和性を高める方向性を打ち出した。具体的には、RIM社以外のソフトウェア会社がブラックベリー向けにソフトを作るための仕組み(プラットフォーム)が公表された。ソフトウェアメーカーは、開発言語「Java」で3Dゲームやグラフィックを作ったり、GPSと連動したアプリケーションを開発したりする仕組みを利用できるようになる。

   RIM社のアラン・ブレンナー上級副社長は、

「今回の取り組みで、ブラックベリーユーザーに多くの魅力あるテーマ、ゲーム、アプリを届けられるようになる」

と自信を見せる。ソフトウェア会社がプラットフォームを実際に利用できるようになるのは、2010年の6~7月頃。1年後には、ブラックベリーの使い方が様変わりしている可能性もありそうだ。

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