世界中でスマートフォンをめぐる競争が激化するなか、これまでは「ビジネス向け」と思われてきたブラックベリー(BlackBerry)が、ゲームマシンとしての要素を強めそうだ。
アプリケーション(アプリ)をインストールしてゲームなどを楽しめるアイフォーン(iPhone)と同様、外部ソフトウェア会社がブラックベリー向けのソフトを開発する仕組みを発表したのだ。一方、スマートフォン市場ではグーグル社のOS「アンドロイド」搭載の携帯も猛烈に追い上げを見せるものとみられ、「三つどもえ」になる可能性もある。
市場全体が頭打ちの中、スマートフォンは急激な伸び
調査会社の米ガートナー社が2009年11月12日発表した調査結果によると、全世界で09年の第3四半期(7~9月)に販売されたスマートフォンの台数は前年同期比12.3%増の4106万7600台。携帯電話全体の販売台数は同0.1%増の3億886万9300台なので、携帯電話市場全体としては頭打ちの一方、スマートフォンは急激な伸びを見せていることが分かる。
スマートフォン市場のシェアを見ると、首位のノキア(39.3%)を、ブラックベリーの製造元であるカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)社(20.8%)と、アイフォーンの製造元のアップル社(17.1%)が猛追するという構図だ。OS別に見ると、アンドロイド搭載携帯は「デビュー直後」だということもあって、シェアは3.5%にとどまっているものの、第4四半期には、伸びを見せるものと見られている。
ブラックベリーは、キーボード付きの端末が特徴で、通話・メール送信以外に、ワードやエクセルのファイルを見る機能を備えている。独自のセキュリティーシステムが評価され、欧米を中心に普及が進んだが、日本でもNTTドコモが06年から法人向けにサービスを開始。08年8月からは、中小企業や個人向けにもサービスが始まった。だが、ブラックベリーは、どちらかと言えば「ビジネス向け」。ゲームや動画再生用のアプリをインストールして楽しめるアイフォーンとは一線を画していた。