大使館関係者「どこの国の観光名所でもあること」
南アフリカは、世界でも有数の治安が悪い国だと言われている。
産経新聞の2009年9月24日付記事などによると、同国の犯罪統計の数字として、08年度に殺人事件が1日に約50件のペースで、年間2万件近く発生している。強盗は、年12万件だ。レイプも、7万件もある。移民流入や銃器のまん延などから凶悪犯罪は年々増えており、実態は倍以上とのうわさもある。
南アの民間調査では、男性の4人に1人が女性をレイプした経験があると答えた、という報道もあったほどだ。
外務省ホームページを見ても、「首絞め強盗」を始め、日本ではほとんど聞かないような犯罪も多い。「ニセ警官」「カージャック」「尾行強盗」…。在留日本人らの被害も多いといい、09年は5月までに、強盗など19件もの被害が報告されている。
11月14日の南ア戦でも、治安悪化を反映してか、5台前後のパトカーがサイレンを鳴らしながら選手のバスを護衛する事態になっている。
とすると、半年後のW杯では、こうした危険を覚悟しなければならないのか。
在日南アフリカ共和国大使館の関係者は、心配するほど危険ではないと強調する。
「昨年は、日本人ツアー客の被害はゼロという統計があります。強盗などの被害は、南アに限ったことではなく、どこの国の観光名所でもあることです。観光客として常識を持って行動すれば、まったく危険はありません。常識とは、タクシーに乗る時はホテルで手配する、などです。W杯では、厳重な警備で安全過ぎるぐらいになりますし、最低限の注意事項を守れば大丈夫だと思います」
そうすると、強盗被害に遭ったサポーターは、常識に欠けていた面があることになる。
とはいえ、この関係者も、町々の隅々まで治安を行き渡らせることは難しいと認めた。ツアーでなく個人旅行などで、観光コースを外れるときは、危険な目も覚悟しなければならないようだ。