ウクライナで新型インフル強毒化? 突然変異説をWHOは否定

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政治的なプロパガンダの可能性も

   ウクライナの新型インフルについて、厚労省の結核感染症課では、「WHOの調査結果では、病原性の変化が確認されていません」として、しばらく静観する考えだ。

   現地では、インフルエンザについての情報が混乱しており、メディアの報道も必ずしも根拠がはっきりしない。ウクライナ大統領選が2010年1月17日投開票の予定であることから、情報に政治的な意図があるのでは、とも報じられるようになっている。低支持率に悩んでいることから、感染拡大を口実に、選挙を延期したり、反対派を抑えたりしようとしているのではないかというのだ。

   ブログで新型インフルのウォッチングをしている近畿医療福祉大学の勝田吉彰教授(渡航医学)も、新型インフルの強毒化について、懐疑的な立場だ。

「今のところ、突然変異の可能性は高くない感触を持っています。肺が真っ黒のレントゲン写真もなぜ記者が入手できたのか疑問ですし、死者などの数字も、すべてが新型インフルとは限りません。現地では、大量出血して死んだという報道は、最近少なくなり、いかに医療施設が貧弱かといった報道に変わりつつあります。ウクライナでは、ユシチェンコ大統領とティモシェンコ首相がライバル同士ですので、政治的なプロパガンダの可能性もあるかもしれませんね」

   もっとも、勝田教授は、突然変異の可能性がまったくないわけではないとみる。

「集めたウイルスの少なくとも半分は新型インフルエンザだったようですが、ロンドンの研究所は、まだ最終的な結果を出していません。その点が気色悪いですね。3種のウイルスが混合して変異することは、確率はそんなに高くありませんが、理論的にはありえます。肺ペストだという情報については、そうならもっとバタバタ亡くなるはずなので、そうではないでしょう。第2波となる可能性はまったくゼロではありませんので、日本でも、注意して見守る必要があると思います」
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