「倒産の危険がないところで、不合理な人事が行われるのは自然」
同様の指摘は、別の元官僚からも出ている。元公務員制度改革事務局企画官の原英史氏は11月18日に放送されたテレビ朝日の情報番組「スーパーモーニング」のなかで、
「役員並みの待遇をするポストを役員ではない形でつくるというのは、そう珍しくないと思いますよ」
と語り、さまざまな形で「天下り隠し」が行われている実態を示唆した。
天下りというと、役所が民間企業に退職者を押しつけるというイメージもあるが、中野准教授によれば、「天下り先として最も多いのは非営利法人」だという。特殊法人・認可法人・独立行政法人・公益法人(財団・社団)が全体の半数近くを占めている。そのような実態を著書『公務員大崩落』で指摘しながら、中野准教授は次のように書く。
「天下り役人の生活を支えるために無数の非営利法人があって、そこに税金が流れ込んでいることが問題になっているのです」
今回明るみになった「天下り隠し」は、非営利法人の一つである独立行政法人で行われていた。独立行政法人という「役人の受け皿」がある以上、似たような事例はあとをたたないのかもしれない。中野准教授は
「行き先がある限り、人事を担当する役人たちはいろいろ考える。民間企業でも、子会社への役員の押しつけといった『天下り』はあるのだから、独法のような倒産の危険がないところで、不合理な人事が行われるのはむしろ自然ともいえる。単純な締め付けとは違うやり方をしないと、天下りはなくならないだろう」
と話している。