人気グループ「東方神起」のメンバーが、韓国の所属事務所に対し専属契約効力停止仮処分を韓国法廷に申し立てた問題で、韓国メディアが解散危機を報じている。日本所属事務所のエイベックスは、今後も活動を「全面サポートする」と表明。ネットでは「エイベックスに対し、『東方神起』を守ってほしいという願いをこめたはがきを送ろう」と転送を呼び掛けるメールが大量に出回っている。
「東方神起」は2004年に韓国でデビューした韓国出身の5人組男性ボーカル・グループ。翌年に日本ではエイベックスからデビューを果たした。以降、アジアを股にかけるトップアイドルグループに成長。人気アニメ「ワンピース」の主題歌を担当したことで知名度がアップ。オリコンランキングでもシングル、アルバム共に売上げトップになるスターとなった。
アルバム50万枚売れても一人あたり報酬は75万円?
順風満帆に見えたが、同グループのメンバー、ジュンス、ジェジュン、ユチョンの3人が、09年7月末に韓国の所属事務所SMエンターテインメントに対し、所属契約の効力停止を求める仮処分をソウル中央地裁に申し立てたことがわかった。
報道によれば、韓国事務所との専属契約の期間が兵役を含めると15年以上と長く、専属契約を解除する場合には日本円で数十億円支払わなければならないなど不当なものだったという。また収入も当初、単一アルバムの販売枚数が50万枚を超え場合だけ1人当たり1000万ウォン(約75万円)を受け取ることができ、50万枚に満たないときはゼロ。09年2月に条件は改定されたものの、メンバーに配分される金額は、1人当たりのCD売上のうち0.4%から1%にすぎなかったという。
エイベックスは09年8月6日、メンバーの訴訟は解散には繋がらない、という声明を公式サイトで発表した。韓国の事務所もメンバー5人が日本で活動することを了承していて、「東方神起」を「全力でサポートしていく」というものだった。
ただし、韓国メディアは、東方神起が事務所とトラブルを起こしたことで「解散危機」であることは間違いないと伝え、最近の報道でも以下のように「再結成は難しい」としている。
「東方神起のメンバーら、ジェジュン、ユチョン、ジュンスの3人が、『東方神起』という名前を事実上使えなくなるものとみられる」(中央日報電子版09年11月4日)
「東方神起は来年活動不可能」(朝鮮日報電子版09年11月13日)
「紛争中の東方神起のメンバー3人は、SMが提示した国内活動に関する最後通告に応じなかった。このため3人のメンバーは独自で活動する可能性が高まり、東方神起として再結合する可能性はさらに低下した」(中央日報電子版09年11月13日)
「全面サポートする考えは変わらない」とエイベックス
韓国の所属事務所は、訴えた3人に対し来年の活動をどうするのか09年11月12日までに回答するようにと最後通告を出したが、3人は何の回答もしなかったため、交渉は完全に決裂、5人グループとしての存続が難しくなった、というものだ。
ネットではファンが先行きについて不安を募らせている。「全力でサポートしていく」と表明したエイベックスに頑張ってもらおうとしているのか、純粋に「東方神起」を応援しようと思ったのか、09年11月14日頃から、「東方神起を元気付ける為の企画」としてメールが大量に出回るようになった。また、この告知は、SNS「ミクシィ」の「東方神起」コミュにも掲載されている。
「50円はがきを用意 はがきの真ん中に赤で We(ハートマーク)TVfXQ と書いて下さい。(編集注:TVfXQは東方神起の中国名)余白が出来ると思うので、余白に応援メッセージなど書いて下さい。デコったり、似顔絵など書いてもOKです。必ず日付11月29日に投函してください 消印を全国で同じ日にしたいからだそうです」
宛先はエイベックス本社6階の「エイベックスエンターテイメント(株)『東方神起』係様」となっている。エイベックスはこんなファンの期待に応えられるのだろうか。エイベックス・エンタテインメントに問い合わせてみたところ、 「今年8月6日に弊社よりプレスリリースを出させて頂いている通りとなります」 ということで、約束は守る、ということのようだ。