オバマ米大統領が天皇陛下に90度のおじぎをしたことが、話題になっている。米メディアからは「低姿勢過ぎる」と批判を浴びているものの、日本では、「礼儀正しい」と好意的な声が多い。90度おじぎは、オバマの戦略との見方も出ている。
あの長身のオバマ大統領が、天皇陛下よりも頭を下げている! ユーチューブなどに出回っている動画のおじぎシーンは、日米のネットユーザーに衝撃を与えている。
チェイニー副大統領は、握手で済ませた
初来日のオバマ大統領が、天皇・皇后両陛下に面会したのは初めてだった。皇居に2009年11月14日招かれた大統領は、車から降りると、玄関でお出迎えになった両陛下に歩み寄った。そして、天皇陛下が手をお差し伸べになると、握手しながら、いきなり90度まで腰を折ったのだ。
その間、1秒弱。視線は、通常の握手とは違い、下に向いたままだった。陛下は、握手を予想していたのか、頭をお下げにはならずに、笑顔を向けられた。そして、オバマ大統領は、おじぎが終わると、今度は、皇后陛下にも握手しながら軽くおじぎをした。驚くべきことに、さらに、大統領は、両陛下に対し、5度も軽くおじぎを繰り返したのだ。
ネット上では、こうした大統領のあいさつに対し、日本のユーザーから称賛の声が相次いでいる。2ちゃんねるでは、「つぎの首相はオバマさんでいいよな!」といった声も上がっているほどだ。
ところが、アメリカ国内では、対照的に、メディアなどから厳しい指摘が出ている。
ロサンゼルス・タイムズ紙は、現地時間11月14日付記事で、07年2月に当時のチェイニー副大統領が、天皇陛下におじきをせず握手で済ませた写真も掲載して比較した。そして、昭和天皇の時代に真珠湾攻撃があったことを指摘し、「大統領の行為に眉をひそめるアメリカ人もいるだろう」と揶揄した。サイト記事のコメント欄には、2000件ほどの書き込みが寄せられ、波紋を呼んでいる。