消費者金融「つるべ落とし」 政府の方針転換に期待

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2010年6月には顧客が半減?

   しかし、一定のリストラさえすれば大手4社が危機を乗り切れるかといえば、心もとない。8月末の貸付金残高は、4社とも前年同期比1~3割減少した。総量規制の実施を控え、貸し付けを徐々に絞っているためだが、市場規模はさらに縮小する可能性がある。業界団体の「日本貸金業協会」が実施したアンケートでは、現在の借入利用者の半分が既に年収の3分の1を超える借金をしている。このままだと、2010年6月には顧客が半減しかねない状況なのだ。消費者金融大手幹部は「不況で年収が減れば、さらに減少する懸念もある」と警戒感を強める。

   一方、総量規制が実施されれば、運転資金を消費者金融に頼っている個人事業主の資金繰りに影響を及ぼしかねず、中小・零細企業の資金繰り対策を進めている政府も頭を悩ましている。ただ、単純な延期は多重債務問題の解決を目指す改正貸金業法の理念に反することにもなるため、金融庁は近く、運用面で総量規制の影響を緩和できないか検討を始める方針だ。消費者金融業界側も「政治への働きかけを強める」(大手首脳)と息巻いており、年末にかけて業界の出方と金融庁の対応が注目される。

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