国民新党の代表をつとめる亀井静香郵政・金融担当相は2009年11月13日の閣議後の会見で、「予算編成を3党合意と3党の作業のなかでどうやっていくのかという仕組みをちゃんと決めたい」と述べ、国民新党も予算編成過程に加われるように、菅直人国家戦略担当相に働きかけたことを明らかにした。
亀井担当相は行政刷新会議による「事業仕分け」のメンバーに国民新党の議員が入っていないことに異議を唱え、同党の亀井亜紀子参院議員の加入を認められたが、より強く国民新党の意見を予算編成に反映させたい意向だ。
「一緒に考えるプロセスがないと閣議決定もできない」
亀井担当相は11月11日、事業仕分けの「仕分け人」に国民新党議員が選ばれていないことと、民間人メンバーの中にモルガン・スタンレー証券のロバート・ フェルドマン経済調査部長が含まれていることに反発。仙谷由人行政刷新担当相に、国民新党の亀井亜紀子参院議員を新たに加えることを約束させた。
13日の会見でも、「外国人は大好きだから偏見はないが…」と断りつつ、
「予算編成は権力作用そのもの。仕分けを外国人がやることは、やっぱり基本がおかしい。鳩山首相が施政方針演説で弱肉強食の市場原理主義から決別すると言っているのに、それを小泉政権下で称揚・推進した人たちを予算の仕分けにコミットさせるという点でもおかしい」
と述べ、フェルドマン氏の起用を改めて批判した。さらに、そのような人選について「国民新党と社民党になんら相談がなかった」と不満を表明。今後の予算編成に向けて、両党が関与していけるような仕組みを作る必要があるという見解を示した。
「菅さん(国 家戦略担当相)は今度政策協議会を開くと言っているので、そこで予算編成を3党合意と3党の作業のなかでどうやっていくのか、その仕組みをちゃんと決めよ うじゃないかと言っておいた。国民新党も社民党も予算の編成過程のなかで、一緒に考えるプロセスがないと閣議決定もできない」
と述べ、民主党に予算編成への関与を求める意向を示した。亀井担当相は10月30日の広島での講演で「わたしは今、国連安保理の(常任)理事国の立場にいる」と述べ、閣僚としていわば「拒否権」をもつ立場を誇示したことがある。今度もそれを利用して、予算編成への食い込みをはかる構えのようだ。