内閣府「なかなか現実的には難しい」
大胆な政策だけに、勝間和代氏のリフレ論は、ネット上でも賛否両論が極端に分かれている。
賛成派としては、駒澤大学准教授でもある前出の飯田泰之氏がおり、自らのブログでリフレ論の立場を明らかにした。デフレ脱却のために金融政策方針の転換が必要であり、2%程度の安定的なインフレを目指す政策を実施すべきと説いている。
同じ経済学者で上武大学教授の田中秀臣氏は、自らのブログで2009年11月6日、高名なエコノミストが「勝間和代が日本を救う」と評したことに「こころのどこかで僕もそう思っている」と告白した。勝間氏のプレゼンの水準は高く、直接聞く者に届くとして、「政府が選択肢に加えてくれたことを本当に願いたい」とまで書いた。
一方、反対派は、その批判もかなり激しい。経済学者の池田信夫氏は、自らのブログで7日、「ゼロ金利状態でいくら通貨を供給してもインフレが起こらない」と主張した。「リフレ派が久々に墓場からよみがえったようだ」としたうえで、「これが国家戦略に影響を及ぼすとなると放置できない」とまで言い切っている。
アメリカの投資銀行に勤めている藤沢数希氏は、自らのブログで9日、「勝間さんのインフレ政策を実行するともっとデフレになる」と批判した。日本は少子高齢化で潜在成長率が低くなっており、結果的に低金利になって通貨を大量発行しても物価の下落は抑えられないというのだ。
勝間氏のプレゼンについては、新聞各紙は、菅国家戦略相が納得しなかったなどと報じており、内閣府の担当者も、「貨幣の価値が大きく下がったりするリスクがありますので、なかなか現実的には難しいかもしれません」と明かす。しかし、勝間氏は、施策の可能性に手応えを感じているとして、公式ブログで6日、「プレゼン後の感想でも、菅大臣から『興味ある。どうしようかな』という発言があった」などと書き込んでいる。