2007年に千葉県市川市で起きた英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)の死体遺棄事件で全国に指名手配されている市橋達也容疑者(30)の足取りが、少しずつ明らかになってきた。名古屋市内で整形手術を受けていたほか、福岡市内のネットカフェで会員証を作って1泊していたらしい。これまでは「誰が逃走費用を出したのか」に注目が集まっていたが、ここにきて、数日前の段階で、福岡市内のコンビニの防犯カメラに市橋容疑者らしき男の姿が確認されている。いよいよ、逮捕に向けて「外堀」は埋まってきたと言えそうだ。
千葉県警が09年11月5日に行った発表によると、市橋容疑者は、2年半にわたる逃走中に、少なくとも(1)目を二重にしている(2)鼻を高くしている(3)鼻翼を小さくしている(4)左頬のホクロ2個を除去している(5)下唇(両口角)をうすくしている、といった点で整形手術を受けていたことが分かっている。
「モノ、カネ」で支援者が存在する可能性
さらに、この千葉県警が発表した写真が撮影された後の09年10月下旬にも、名古屋市内で鼻を数ミリ高くする手術を受けたことが分かっている。
ここで問題になるのは、その費用だ。目を二重にする手術は1回2万円、鼻を高くする手術は1回10万~30万円、下唇を小さくする手術は1回20~30万円かかるとされる。そのため、これまでの逃走生活では、「整形費用」が100万円単位に及んでいることは想像に難くない。09年11月9日になって、市橋容疑者の指紋が、大阪府内の建設会社の寮から検出されたことが明らかになっているものの、建設会社での稼ぎのみで100万円単位の金額を捻出できるかどうかは、依然として不透明だ。
費用面以外にも、市橋容疑者の支援者の存在を示唆する動きがある。読売新聞などによると、市橋容疑者とみられる男が10月中旬、福岡市中央区の大型商業施設「キャナルシティ博多」の近くにあるネットカフェで1泊していたことが分かっている。このネットカフェを利用するには会員登録が必要で、男は偽名で会員証を作っている。この偽名は、市橋容疑者が名古屋市内で整形手術を受けた際に使用した名前だとされる。毎日新聞によると、このネットカフェで会員登録するには身分証明書が必要で、「誰が市橋容疑者に身分証明書を持たせたのか」が焦点になりそうだ。