「個人で店を出そうとすればもっとお金がかかる。お金は必ず入ってくるし、収支がマイナスになることはない」
この主婦は、業者からこう説明され、それを信じて、サイト作成代約40万円を支払った。ところが、商品広告を掲載してみたものの、まったく収入にはならなかった。主婦は2009年3月、「解約したい」と消費生活センターに相談した。
アフィリエイトのほか、サイトで実際に商品を販売するドロップシッピングを巡って、ここ1年ほどで、各センターへのサイト作成の被害相談が急増している。国民生活センターが11月4日発表したまとめによると、08年度は相談が前年度より2倍に増えて379件に。さらに。09年度は9月末までで356件に達し、前年同期のなんと3.5倍にもなったというのだ。
急増の背景について、同センターの相談部では、不況による給与やボーナスのカットが大きく響いているのではないかと推測する。
「収入が減ったので、副業への関心が高まっています。ネット上で探してサイトの話を見つけ、それを副業にする人が増えたわけです。正確には分かりませんが、相談者の半数以上がこうした動機という印象を持っています」
前出の主婦が不況の影響をどれだけ受けたかは分からないが、夫の収入が減ってこうした副業に手を出すケースも見受けられるという。