「入塾のタイミングが後ろ倒しになっている」
このように、塾業界が料金の値下げに向かっているのはなぜか。全国私塾情報センターの中田未知之さんは、「これは、とくに地方で見られる傾向です」として、その理由を次のように話す。
「一つには、地方の消費冷え込みに対応するためです。もう一つには、ここ数年、学力『中間層』の塾離れが顕著だからです。事実上高校全入時代となった今、学校を選ばなければどこでも入れるようになってしまった。ただ、この層が塾にとってはボリュームゾーンなので、各社とも彼らを呼びこもうと、値下げで対応したり、あるいは差別化をはかったりしているわけです」
実際、ある地方の塾関係者は「近年、入塾のタイミングが後ろ倒しになっている」と明かす。首都圏では相変わらず中学受験が盛んだが、一方、地方では高校受験が活発だ。高校受験をターゲットにしている生徒は小学校4、5年時に入塾していたのが、今では小学校6年生かその後になっているという。料金値下げをすることで、彼らを早くに入塾させ、囲い込みたいという狙いがあるようだ。