皇族が通う大学と言えば、学習院大学(東京都豊島区)だというのが「常識」だった。ところが、秋篠宮家の長女眞子さま(18)が国際基督教大学(ICU、東京都三鷹市)に合格するなど、この1年ほどで、皇族が同大学以外に進学するケースが相次ぎ、「脱・学習院」の動きが進んでいるように見える。
宮内庁は2009年11月5日、眞子さまがICUに特別入学選考(AO入試)で合格した、と発表した。眞子さまは現在、学習院女子高等科3年に在籍しており、10年4月に同大唯一の学部である教養学部のアーツ・サイエンス学科に入学予定だ。
キャンパスは、なだらかな丘があって広々
ICUのAO入試にはAカテゴリーとBカテゴリーの2種類があるが、いずれも、推薦状2通とエッセイ、学内内外での活動内容を示す書類、英語力を証明する書類などの提出が必要。1次選考の書類選考に合格した受験生は、第2次選考の面接試験に臨む。面接は10月17日に行われ、合格発表は、眞子さまの誕生日にあたる10月23日に行われた。眞子さまが合格した2010年度入試では、AO入試では207人の志願者に対して、合格者は59人。倍率は3.5倍と、決して低くはない。
同大には、教養学部内に32のメジャー(専攻)があるが、入学時には一般教育科目や、各メジャーの基礎科目を履修。3年生になる段階で、自分のメジャーを決める。また、学生には高い英語力が求められるのも特徴だ。
大学ジャーナリストの石渡嶺司さんは、ICUについて、
「偏差値で見ると早稲田・慶應・上智に次ぐ高い水準ですが、一般入試の方式が特殊で対策しづらいこともあって、私大受験生の中ではあまりメジャーではありません。むしろ、国立と併願するケースが多いようです。キャンパスは、なだらかな丘があって広々としています。開放感があります。学生も、のびのびとしています。ただ、大学(のコミュニティー)自体は狭いので、学生同士の交流は、非常に密ですね」
と話しており、キャンパス内で「濃い」4年間を過ごす可能性もありそうだ。
高円宮家は早稲田大学、城西国際大学に進学
眞子さま以外にも、皇族がここ1年ほどで学習院以外の大学に進学するケースが相次いでいる。例えば、英エディンバラ大学に留学していた高円宮家の長女承子(つぐこ)さま(23)は、08年9月に早稲田大学(東京都新宿区)の国際教養学部に再入学しているほか、同じく高円宮家の3女、絢子さま(19)は、09年4月に城西国際大学(千葉県東金市)の福祉総合学部に入学。キャンパス近くの宿舎で、他の学生と共同生活を送っている。
こう見ていくと、「脱・学習院」が進んでいるかのようにも見えるが、前出の石渡さんは、
「学習院自体は、そんなに大きな変化が起こっている訳でもありません。学習院は、良くも悪くも『古い大学』。おっとりしたところがあります。これは推測なのですが、他の大学に進学させて違う環境を体験させたいという、ご家族の意向もあるのでは」
とみている。