統合後の名称は銀行と同じ「三井住友」?
両行の経営統合で焦点となるのは、三井住友フィナンシャル・グループ(FG)との「大連立」だ。もともと独立意識の高い住信は、同じ財閥系でも旧住友銀行(現三井住友銀行)との関係は良いとは言えない。金融再編劇の中で、三井住友銀は何度も住信に秋波を送ったものの、メガバンクにのみ込まれるのを嫌った住信から袖にされてきた。中央三井も同じ理由で傘下入りを拒んでいる。
しかし、三菱UFJ信託を抜いて業界1位となるメガ信託の誕生で、三井住友FGに対する発言力は一気に強まる。統合後の名称に銀行と同じ「三井住友」を採用する予定なのも、「次の(三井住友FGとの)統合を視野に入れた対応では」(大手行幹部)との憶測を呼ぶ。存在感の高まりをテコに「大連立」に動くのか、経営基盤が強化したことを強みに、銀行とは一線を画すメガ信託として独立路線を歩むのか。統合する両行の次の一手に関心が集まっている。