節約志向の高まりを受けて、車の中に泊まる「車中泊」が注目を集めている。高速道路の休日料金が1000円の導入で長距離ドライバーが増え、アウトドア派の間だけでなく一般の人にも広がっているのだ。
車中泊する場所は、高速道路のサービスエリアや道の駅の駐車場。車中泊のガイドブックも出ていて、今後も利用者が増えることが予想される。一方でマナー違反など問題も起き、高速道路の運営会社では推奨していない、といっている。
車中泊で土日を有意義に使える
車中泊のメリットはなんといっても宿泊費がかからないこと。家族が多いほど得になる。また、旅館やホテルに予約して泊まるには、決まった時間までにチェックインしなければならずスケジュールが制限されるが、車中泊なら好きなように動ける。座席をフラットにして寝たり、場所によってはテントや寝袋を使う人もいる。
ただ、デメリットもある。狭い車内で寝るので疲れがとれない。夏は冷房をかけないと暑い。冬は冷え込む。冷暖房を付けっぱなしにしている車も多い。そんなこともあって、最近はアイドリングを禁止している駐車場も多くなっている。
とはいえ、不景気で少しでもお金を浮かしたいという人に車中泊が人気で、きれいなトイレがある高速道路のサービスエリアや道の駅の駐車場を使っているようだ。
「Yahoo!トラベル」の「旅の知恵袋」には、
「香川・坂出IC~愛媛・松山IC間あたりで、車中泊できそうな道の駅を探しています。できれば新しそうなほうがいいです。また、近くに温泉もあると助かるのですが」
という質問が2009年10月8日に書き込まれている。
「ディズニーシーに行く予定です。車中泊を考えており、風呂は近辺のスーパー銭湯湯処葛西に行く予定ですが、ここの駐車場または隣のイトーヨーカドーは車中泊できますか?他にディズニーシー近くに車中泊できる場所はありますか?」
掲示板に09年10月24日に書かれている。
車中泊のガイド本「ミニバン車中泊バイブル」や「快適車中泊スポットガイド」を発行している毎日コミュニケーションズの編集担当者は、
「土日を有意義に使うために、金曜の夜に出発して目的地の近くで車中泊し、土曜日はフルに使うという方法を提案したのが始まりですが、高速道路の休日利用料金が1000円になってサービスエリアに泊まる人がますます増えていると思います。トイレや入浴施設が近くにある駐車場が適していますが、流動的なので2~3の候補地を考えておく必要があります」
と話している。