会員になると商品を安く買える――そんなサービスが不景気のなかで人気を呼んでいる。食品、衣料品、電化製品など約4000アイテムを市場価格より安く販売する「コストコ」は会員が200万人を超える。レストラン向けに会員制卸売店を展開している独メトログループは、日本での2008年度の売上高が好調だったことから、2010年中に2店舗増やして8店舗体制とする。
会員制サービスには旅館やホテルにタダで泊まれる宿泊サイトや、大企業並みの福利厚生が受けられるものもある。会費を払っても元が取れる破格の値段を武器に、不景気下でも会員を増やしている。
「コストコ」は会員200万人を超える
米カリフォルニア発の会員制店舗「コストコ」は1999年に日本に上陸した。全国に9店舗を構える。店舗を「倉庫店」と呼んでいるように、倉庫のような広大な店内には食用品、衣料品、時計、宝飾品、家庭用品、電化製品など4000アイテム前後を揃え、会員特別価格で販売する。プライベートブランド(自社ブランド)も扱っている。
法人会員は年会費3675円、個人は4200円が必要となるが、国内会員は増加傾向にあり、2009年10月現在で200万人を超える。法人と個人の割合は半々。客単価はおよそ1万円で、まとめ買いする客が多い。
会員制卸売店を展開するドイツのメトログループは、生鮮食品、加工食品、酒、ワイン、調理器具、衛生用品を扱っている。日本では6店舗展開し、日本事業の08年度の売上高は前年比15%増の1億2300万ユーロ(約170億円)と好調で、2010年に2店舗増やす。
会員になるには、卸売業の営業許可を持っていることと、飲食業、小売業、卸売業のいずれかの食品事業を営んでいることが条件で、その証明のために営業許可書の提示が求められる。会員制店舗には珍しく、登録料と年会費は無料だ。