金融機関が「売り」に転じると金利は急上昇する
鳩山首相はこれまでに、たびたび「これ以上国債を増やすと国家がもたない」と、発行抑制を口にしていた。ところが政権をとると、マニフェストの実現のためには「やむを得ないことになる可能性がないとはいえない」と発言し、国債増発を容認した。景気悪化による法人税などの税収不足もあって、「発行やむなし」との空気が広がっている。
これらが長期金利上昇の要因だ。
国際金融アナリストの枝川二郎氏は、「現状はデフレ経済で、低金利なので、誰もがなんとなく、金利が上がるとは考えていない。だから、急上昇していない。しかし、ある段階でこれがはじける。しかも、そのタイミングはそう遠くないのではないか」と指摘する。
世界的な景気悪化で、欧米でも国債の発行は増えているが、その中にあって日本の約45兆円(2010年度見通し)、総残高600兆円は異常なほど多い。「発行額が増えて買い手である投資家が不安になるのは当然のこと。95%を日本人がもっているから大丈夫とか、郵貯がもっと買えばいいといった意見もあるが、ひとたび信用力を失ってしまうと落ちるのは早い。銀行や生保ももっていられなくなって、2%台に達することは十分にある」(枝川氏)という。
現状で長期金利が急上昇しないのは、機関投資家、なかでも地方銀行や信用金庫の貸し出しが伸びないため、融資にまわらない資金を国債で運用していることもある。
ある市場関係者は、「国債市場は飽和状態にあって、新規の発行規模があまりにひどい(多額)と、何らかのタイミングで金融機関が買いを控える可能性がある。その意味で危うい状況にある」と警告する。金融機関が「売り」に転じたとき、それを「合図」に長期金利は一気に上昇、国債の「投売り」がはじまるのもしれない。