官公庁オークション、不動産の出品が増加
ネットオークションでも中古別荘を扱っている。なかでも格安なのがヤフーの官公庁オークション(インターネット公売)で、税金滞納者から差し押さえた別荘敷地を公売している。別荘用土地の入札開始額が100万円台からという設定もある。
ヤフーの広報担当者は、
「ネット公売の出品自体が増えていて、そのなかでも別荘を含め不動産はかなり多くなっています」
といい、2009年10月28日現在で348件出品されている。
静岡県伊東市の236平方メートルの別荘敷地の入札開始額は102万円、新潟県南魚沼郡の509平方メートルの別荘地が117万円となっているほか、100万台からスタートする物件が複数ある。参加申し込みは締め切られ、入札は11月2日まで。
ネット公売では不動産の出品が年々増えている。スタートした04年は0件、05年153件、06年354件、07年710件、08年1007件だ。年8回行い、09年は5回目までで662件と、前年を上回るペースとなっている。
4カ所の別荘敷地を出品している長野市財務部収納課の担当者は、
「景気低迷でどの市町村も売れる物は売っていくという考え方にシフトし、(滞納者の財産の)処分に力を入れています。今後も(別荘が)出てくると考えられます」
と話している。
国税庁の調べでは、08年度に発生した滞納総額は8988億円で、前年度より163億円増加した。東京国税局は07年にネット公売を始め、年々、出品が増えている。同局広報担当者によると、差し押さえた物件のほか、「税金を納められないので別荘で物納したい」というケースもあり、格安別荘の穴場になっている。