不景気で高額品の消費が伸び悩むなか、外車や高級車のレンタカーが好調だ。レンタル料は国産コンパクトカーの5ー6倍もするが、マイカーを手放し、「必要な時だけ」という人や、「買えないけれど乗ってみたい」という人にうけている。
オリックスレンタカーは期間限定で「日産GT-R」と「ポルシェ ケイマン」を貸し出している。「GT-R」は反響が大きく、レンタル期間を延長した。「業界最安値」をうたうレンタカー「DIREX」では利用者がうなぎ登りで、多い月は前月の2倍になる。「ポルシェ」のオープンカーやアメ車の人気が高い。
40~50歳代のスポーツカー世代が多く占める
オリックスレンタカーの場合、2009年9月4日から「GT-R」のレンタルを開始したところ反響が大きく、期限を当初の11月4日から2010年1月12日までに延長した。「ポルシェ ケイマン」は09年11月30日までとなっている。
利用料金は9時から19時までの10時間で、いずれも3万5000円(キャンペーン価格、免責補償制度加入料2100円を含む)だ。
「GTRは10月22日に期間の延長を発表したばかりで、予約の余裕がありますが、ポルシェは空いているのが数日となっています」
と、オリックスレンタカーの広報担当者はいっている。
レンタカーの利用客は、「足代わりになれば車種は何でもいい」という人が多い。しかし、GT-Rやポルシェの場合、40~50歳代のスポーツカー世代が多く、車に乗ること自体を目的にしている。一般車で人気の高いコンパクトカーは12時間5250円だ。その5―6倍にもなるが、車が好きな人は「3万5000円でも安い」と言って借りるそうだ。
2008年11月にオープンした「DIREX」(東京、沖縄)は、「業界で最安値」をうたい、利用者がうなぎ登りだ。前月の2倍という月もある。人気の理由について、東京本社の担当者は、
「不景気で車を所有する人が減っていて、これから買おうという人も少なくなってきています。また、普段は大衆車に乗っていて、休日にリフレッシュしたいというお客さまにも利用していただいています」
と話す。
「買えないけれど1回乗ってみたい」
利用料金は車種、時間ごとに異なり、一番安いもので12時間1万4000円だ。人気があるのはオープンカーで、「ポルシェ Boxster」は12時間2万5900円、24時間3万7000円。アメ車も人気が高い。例えば、「ハマー H2」のカスタム車両。また、「シボレー エクスプレス スター クラフト」は全長5.78メートル、全幅2.06メートルで、車内に21インチのテレビが取り付けられている。いずれも12時間2万5900円、24時間3万7000円。いまなら会員費が無料になるキャンペーンを実施している。
高級車専門レンタル店「プレミアム レンタカー」は、「フェラーリ」「ポルシェ」「ロールスロイス」などを貸し出している。「フェラーリ F430」は6時間12万2808円、12時間14万4480円と高額だが、「ポルシェ」「GTR」「レクサス」と並んで人気があり、週末や連休時には予約が取れないこともある。利用者は20歳代半ばから50歳代までと幅広い。
「昔は400万、500万円のスポーツカーがあり、若い人でもなんとか手が届く値段でしたが、今は最低でも800万、900万円します。買えないけれど1回乗ってみたいという人や、不況下でマイカーを手放し、必要な時だけに借りるという人も増えており、利用者は前年よりも20、30%増えています」
年末年始には1週間借りると半額になるキャンペーンを実施する。